テレビで注文しドローン配送 伊那市で実証実験

テレビのリモコンを操作して商品を注文する伊那ケーブルテレビジョンのスタッフ
長野県伊那市は、小型無人機ドローンを使った物流システム「空飛ぶデリバリーサービス構築事業」で、伊那ケーブルテレビジョン(同市)のデータ放送を通じて商品を注文するシステムの実証実験を4~7日、同市長谷中尾で行っている。ドローンとケーブルテレビ(CATV)を組み合わせた物流システムは全国初。3月中には注文した商品をドローンで配送する実証実験も実施し、実用化に向けた取り組みを進める。
実証実験には中尾地区の6世帯が協力。インターネットに接続できる専用のセットトップボックス(STB)を設置し、CATVのデータ放送画面を見ながら買い物ができる仕組みで、今回は道の駅「南アルプスむら長谷」の商品を注文する。
受発注のシステムは伊那ケーブルテレビジョンとCATV向けのサービスを提供しているジャパンケーブルキャスト(東京)が開発。放送と通信を連携させたサービス「ハイブリッドキャスト」を活用し、インターネットやスマートフォンが使えない高齢者でも使い慣れたテレビのリモコンで操作できるようにしたのが特徴だ。
5日は同地区の中尾座で実証実験のデモンストレーションを行った。テレビ画面には商品名と値段のリストが表示され、リモコンで買いたい商品を選択。個数を決め、購入を決定した。認証など複雑な手続きは必要なく、すべてリモコンのボタン操作で注文を完了した。
同事業は通信大手のKDDI(東京)が委託を受け、ドローンを活用した荷物配送サービスの実用化を図るとともに、CATVの参画による商品受発注の仕組みづくりを進めている。高齢化が進む人口減少地域の買い物弱者支援や物流の省力化、効率化を図る狙いがある。今回の実験ではCATVスタッフが商品を運んでいるが、最終的には中心市街地と長谷や高遠町の中山間地域をドローンで結び、商品を配送するシステムの構築を目指す。
伊那ケーブルテレビジョンは「テレビ離れが指摘される中、地域密着の身近なメディアとして可能性を広げたい」と期待。実験参加者からは「意外と簡単」という声も聞かれているといい、手応えを感じていた。
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