塚原さんの話を聞きながら伊那谷昆虫食を味わう首都圏在住者ら=2日、東京・銀座NAGANO
東京・銀座の県情報発信拠点「銀座NAGANO」で2日、伊那谷の昆虫食を発信するイベントがあった。昆虫食をこよなく愛する女性2人が対談し、健康や美容効果にも着目して魅力を紹介。昼食の時間に合わせた「昆虫ごはん会」では、伊那市上新田の専門店「塚原信州珍味」が本場の味を”お届け”。首都圏から定員いっぱいの30人余りが参加し、代表格のザザムシのつくだ煮や蜂の子ご飯などを味わった。
ごはん会のメニューはザザムシ、イナゴ、蚕のさなぎのつくだ煮3種と、蜂の子をふんだんに使った炊き込みご飯と混ぜご飯。同店の塚原保治さん(73)は「蜂の子は考えられないほど多く混ぜ込みました」と笑顔を見せ、参加者には「捕る人も捕れる量も減っているが、昆虫食文化を守り続けたい」と伝えていた。
写真や動画を撮ってから食事を始めた参加者たち。神奈川県川崎市の会社員、宍戸朝子さん(23)は「イナゴ以外は初めて。つくだ煮も蜂の子ご飯もおいしかったー」と笑顔。「昆虫食を目当てに伊那へ出掛けたい気分になりました」と話した。
「虫食いライター」として活躍するムシモアゼルギリコさん、昆虫料理愛好家の木谷美咲さんは「幼虫系は高たんぱく。少し食べただけで体がよく動く」「初心者にお勧めはセミ。夏に集まり、採集して調理して食すセミパ(セミパーティー)も楽しい」。熱い”昆虫女子”トークで盛り上げていた。
天竜川で行った高校生のザザムシ漁体験、伊那市創造館で開いた「美味しい昆虫食シンポジウム」に続く県上伊那地域振興局の事業。1日から2日間行い、初日は市創造館館長の捧剛太さん、駒ケ根シルクミュージアム館長の中垣雅雄さん、ザザムシのベテラン漁師中村昭彦さん=伊那市=が昆虫食の魅力や可能性を紹介した。
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