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紀伊民報社

身代わり仏像奉納 学生らが複製制作

曽我部大剛住職に仏像を手渡す学生ら(26日、田辺市稲成町で)

 和歌山県田辺市稲成町の岩屋山観音寺に26日、本尊・観音菩薩(ぼさつ)立像の複製「お身代わり仏像」が奉納され、開眼供養法要が営まれた。県内での仏像盗難被害が相次ぐ中、地元住民らは「本物と同じように大切に守っていきたい」と喜んだ。
 お身代わり仏像の制作・奉納は、高齢化や人口減少などで管理が困難になっている地域の文化財を守ることを目的に、県立博物館が和歌山工業高校と和歌山大学の協力を得て、2012年度から県内各地の寺社を対象に取り組んでいる。
 観音寺の観音菩薩立像は像高103・7センチ、平安後期(12世紀)の仏像で、本物は現在、県立博物館に保管されている。
 和歌山工業高校で昨年9~12月、産業デザイン科生徒6人が本物を3次元スキャナーを使って計測、3Dプリンターで複製を出力。その後和大教育学部美術科教育専攻の学生1人が約2カ月かけて着色、このほど完成した。これまで手掛けた複製の中で最も大きかったという。
 この日は、制作に携わった高校生と大学生らがお身代わり仏像を寺のお堂に運び入れ、地元住民らも参加した法要が営まれた。
 田辺市稲成町の高山寺住職で、観音寺の住職を兼務する曽我部大剛住職(59)は「とても精巧にできていて本物そっくり。末永く大切にしたい」と話した。
 複製は3Dプリンターによるプラスチック製で、今回で26体目(13カ所目)。紀南地方では、12年度に滝尻王子宮十郷神社(田辺市中辺路町栗栖川)の滝尻金剛童子立像1体、17年度に持宝寺(すさみ町周参見)の阿弥陀三尊像3体の複製が奉納された。
 仏像盗難の被害は、これまで紀北で多い傾向にあったが、近年は紀南でも増えている。このほど、白浜町大古の「梵音寺(ぼんのうじ)」でも本尊の仏像が盗まれる被害があった。

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