「荘銀タクト鶴岡」グランドオープン
荘銀タクト鶴岡のこけら落とし公演で演奏を披露したNHK交響楽団
鶴岡市が整備した「荘銀タクト鶴岡」(市文化会館)が18日、グランドオープンした。こけら落としとしてNHK交響楽団による公演が行われ、国内最高峰の演奏を響かせ、新会館の誕生を華やかに飾った。
約1100人の満席の中、演奏に先立ち、皆川治市長が「トッププロから中高生が指導を受けたり、リハーサルを聴いたりする機会もあり、地域の音楽を担う子どもたちが育っていくのを強く感じた。市民が待ち望んだ新文化会館の生音の響きを堪能してほしい」とあいさつした。
演奏は尾高忠明さんが指揮、ピアニストの仲道郁代さんがソリストを務め、モーツァルト「ピアノ協奏曲第20番ニ短調K・466」、ブラームス「交響曲第1番ハ短調作品68」を披露。演奏が終了すると「ブラボー」の歓声と大きな拍手が湧き起こり、尾高さんは「素晴らしいホールで、皆さんの熱気が伝わってきた。毎年でもN響の演奏をやりたいくらい」と舞台上から語り掛け、アンコール曲を演奏した。
終演後にサイン会を開いた仲道さんは「ピアニッシモでも素直に音が伝わる、とてもすてきなホール。1100席もあるとは思えないほどお客さんが近く、舞台と客席の一体感がとても良かった」と新ホールでの演奏の感想を語った。
友人と鑑賞した庄内町前田野目のピアノ講師、髙橋由衣さん(24)は「N響も仲道さんの演奏も素晴らしくて幸せな感じだった。2階席だったが、舞台が思っていた以上に近くて弦楽器の響きの迫力も感じられ、音色が間近に感じられた。何度でも来たい」と感激した様子で話した。
この日午前は、同ホールで最終リハーサルがあり、鶴岡田川地区の中学、高校吹奏楽部の部員約180人が鑑賞。前日の17日午後には、公演に出演したNHK交響楽団の団員によるクリニック(演奏指導)も行われ、約70人の中高生が参加してトランペット、トロンボーン、ホルン、フルートの4つの楽器の指導を受けた。
生徒たちは国内トップクラスの奏者から基礎を学び、「どこにいる人にどんな音色を届けたいか常に考えながら吹いて」「力まずリラックスして」と普段の練習段階からの心構えやブレスの仕方などの指導を受けた。トランペット奏者の山本英司さんの指導を受けた鶴岡東高2年の林下萌さん(17)は「間近に音を聴くことができて感激した。力を抜いて吹くこと、ブレスの大切さをあらためて知り、とても勉強になった。いつもの練習から取り入れていきたい」と話していた。
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