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笑いあり涙ありの熱演 酒田「黒森歌舞伎」ファン魅了

 酒田市黒森地区に280年以上前から伝わる農民歌舞伎「黒森歌舞伎」(県指定無形民俗文化財)が15日、地区の日枝神社境内の常設演舞場で奉納上演され、県内外の伝統芸能ファンらが笑いあり涙ありの時代絵巻を堪能した。同じ演目は17日(日)に同会場、来月3日(日)には酒田公演として同市の希望ホールでも行われる。

 江戸・享保年間(1716―35年)、村人のすさんだ生活に心を痛めた与作という村人が、勧善懲悪の教えを広めようと、若衆に芝居をさせたのが始まりといわれる。現在は地区住民による妻堂連中(冨樫久一座長)が受け継ぎ、毎年2月15、17日に「正月公演」として黒森・日枝神社で奉納上演している。屋外で鑑賞するため「雪中芝居」「寒中芝居」とも呼ばれる。

 この日は雪も降らず、穏やかな天候。正午から黒森小児童による少年歌舞伎「青砥稿花紅彩画」(通称・白浪五人男)の「稲瀬川勢揃いの場」に続き、午後1時から妻堂連中が19年ぶりとなる本狂言「ひらかな盛衰記」の「梶原館源太勘当の場」「福嶋松右エ門内同裏手船中」「同物見の松」の3幕を演じた。

 本狂言は源氏合戦の家臣たちを題材にしたもので、子を思う母の愛情や主君への忠義などさまざまな人間模様が、激しい立ち回りやコミカルな演技も交えて演じられた。観客たちは地酒や特製弁当などを飲み食いしながら、「よっ、待ってました」と声援を送るなど思い思いに楽しんでいた。

 途中、端役が、今年11月に黒森歌舞伎がポーランドで公演することを紹介すると、温かい応援の拍手が湧いた。

 17日も黒森・日枝神社で正午から少年歌舞伎、午後1時から本狂言が行われる。入場無料。一方、3月3日の酒田公演は正午から希望ホールで行われる。こちらは前売り500円、当日700円(未就学児は無料)。問い合わせは黒森コミュニティセンター=電0234(92)2255=へ。

熱い演技が観客を魅了した黒森歌舞伎の本狂言

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