長野県駒ケ根市の竜東農村公園振興協議会は、クワの若葉を乾燥、粉末にした「信州駒ケ根産まるごと桑の葉パウダー」を開発し、市内3カ所で販売を始めた。食用としてのクワの利用を促進する協議会初の商品化。血糖値の上昇を緩やかにする成分を含むとされる若葉を粉末にしたことで、さまざまな料理や飲み物への利用を容易にした。初回は50袋を販売する。
竜東地区は1970年代まで養蚕業で栄え、かつては各地でクワ栽培が盛んに行われた歴史的な背景がある。同市は3年前、東京農業大学農学部の長島孝行教授を招き、クワやカイコの繭を使った6次産業化の研修会を開催。クワには各種のミネラル成分やポリフェノール、血糖値上昇を抑制するデオキシノジリマイシンなどの成分があり、教授は特長を生かしたクワの活用を提唱した。
これをきっかけに同市東伊那と中沢の住民で組織する協議会が、同ミュージアム東側の畑約20アールにクワ400株を植えて育ててきた。今回の商品は地元の東伊那営農組合が加工を担当。収穫した桑を蒸して乾燥させ、専用機械でパウダー状にした。
商品は1袋50グラム入りで、販売価格は税込み600円。駒ケ根シルクミュージアム内のレストラン菜々ちゃん、同じくやまんた直売所、同館の南隣にある駒ケ根ふるさとの家で販売している。
協議会が栽培したクワは昨夏、菜々ちゃんで若葉を天ぷらにして提供し、粉末と塩を使った調味料「桑塩」も好評だった。パウダーはこの他、湯やホットミルクに溶かして飲む桑茶、焼酎のお湯割り、抹茶の代用としてプリンやヨーグルト、菓子へ入れるアイデアもあるという。
協議会と開発に携わった市農林課の担当者は「クワは近年、体にいいとされる注目の食材。まずは使いやすいパウダーを開発した。今後は第二、第三の商品化を目指し、食品としてのクワの普及を図りたい」と話した。
問い合わせは市農林課(電話0265・96・7723)へ。

女性が持つ小袋が「まるごと桑の葉パウダー」。微粒子の粉末で、少量を湯に溶かせば「桑茶」になる
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