特別展を開催 南方熊楠記念館

所蔵者が分からない盗難被害に遭った仏像も展示している特別展(白浜町で)
南方熊楠記念館(和歌山県白浜町)は、特別展「文化財・地域コミュニティを守ろう」を始めた。盗難に遭い、所蔵者が分からない仏像や仏具も展示している。今回の展示がきっかけで所蔵者に関する情報が出てくることを記念館は期待し、協力した県立博物館(和歌山市)は「展示しているような仏像が狙われるということを知ってもらう機会になればいい」と話している。
仏像や仏具は、室町~江戸時代に作られたとみられる阿弥陀如来像や弘法大師像、弁才天像など7点。仏像などを狙った窃盗事件の容疑者が逮捕され、転売されていた古物商から取り戻したものという。所蔵者が分かったものは返却されたが、不明のものが40点あり、県立博物館が保管している。
今回の7点はこのうちの一部。所蔵者が分からない仏像などを県立博物館以外で展示するのは初めてという。
特別展では、文化財を守る取り組みも紹介している。県立博物館では、和歌山工業高校や和歌山大学(ともに和歌山市)の協力で3Dプリンターを使った文化財の複製を制作しており、その過程を紹介している。2008年に切断されているのが見つかった田辺市文化財の石像「牛馬童子」の首の複製も展示しており、触ることができる。
このほか、県内にある国の有形文化財(建築物)の写真も並べている。田辺市本宮町の亀屋旅館本館や同市中屋敷町の南方熊楠邸、串本町樫野の灯台旧官舎、みなべ町北道の大江家住宅など74点を紹介している。
記念館の谷脇幹雄館長は「熊楠は自然や地域コミュニティーを守るために神社合祀(ごうし)反対運動を展開したことで知られる。文化財を守る取り組みを紹介することは熊楠の思いともつながるし、彼も評価してくれるのではないか」と話している。特別展は4月21日まで。
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