熊野牛の品質向上へ 初の母牛品評会

最優秀に選ばれた中川裕行さんの雌牛「なつき」(左)と阪口義弘さんの雌牛「みさき」=30日、田辺市秋津町で
紀南和牛改良組合(打越章介組合長)が主催した初めての母牛品評会「紀南種牛共進会」が30日、和歌山県田辺市秋津町の県熊野牛子牛市場であった。日高川町の中川裕行さんと御坊市の阪口義弘さんの雌牛が最優秀に選ばれた。
組合は、紀南で熊野牛の安定生産や経営強化を目的に2017年1月に設立し、昨年4月に全国和牛登録協会に認定された。紀北には10年に設立した同様の組合はあったが、紀南にはなかった。御坊市以南の繁殖を手掛ける畜産農家15戸が所属している。
品評会は、17年9月にあった全国和牛能力共進会への出品をきっかけに、牛の改良技術向上への機運が高まり、開催することが決まった。
第1区(生後12カ月以上で17カ月未満)、第2区(生後17カ月以上で最初の出産まで)の2部門に分かれ、第1区には9頭、第2区には7頭が出品された。
県畜産試験場の松田基宏場長ら4人が、バランスの良い成長や大きさ、毛並み、姿勢などを見て、子どもをたくさん産み、上手に育てられるかどうかを審査し、両部門で上位3頭を選んだ。
第1区で最優秀となったのは中川さんの雌牛「なつき」。発育が良好で、出産に重要な肩ががっしりしていることなどが評価された。中川さんは「良い評価をもらってうれしい。これを機会に良い牛をつくれるよう頑張りたい」と受賞を喜んだ。
第2区の最優秀は阪口さんの雌牛「みさき」。発育や品の良さなどが評価された。阪口さんの長男、弘さんは「良くない点も指摘してもらった。これを参考にもっといい牛を育てたい」と話した。
松田場長は「全体的にもう一回り大きくするのが課題。目立った短所をなくし、十分に手入れをすることも重要。改良すべき点が分かり、よかったかと思う」、打越組合長は「審査員に指摘されたことを今後に生かしたい。みんなが切磋琢磨(せっさたくま)して改良を重ねたい」と語った。
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