諏訪湖を覆った氷がせり上がる「御神渡り」の判定と神事を担う八剱神社(諏訪市小和田)の関係者は30日朝、氷の状況を確認した。宮坂清宮司(68)は「今の状況だと(今季の)全面結氷は厳しい」と語り、2季連続の出現は難しいとの認識を示した。今季、諏訪では最高気温が氷点下の真冬日や、出現に必要とされる氷点下10度以下に冷え込む日が今のところない。同神社は2月3日の「節分」まで監視を続け、御神渡りが出現しない「明けの海」かどうかを判定する。
30日の諏訪の最低気温は平年より1.1度低い氷点下7.9度。観測地点の舟渡川河口(同市豊田)には湖面に薄氷が広がり、ひび割れが目立った所もあった。同地点から双眼鏡で湖面を観察した宮坂宮司は「(諏訪湖の)7割方に薄氷が張っているが、日中の気温上昇や波で砕けてしまうだろう」と話していた。
今冬は二十四節気の「小寒」の1月6日から監視を始めたが、諏訪の最低気温は10日の氷点下9.5度が最も低かった。薄氷が広がった日もあったが、日中の日差しで溶け、全面結氷した日は一度もなかった。長野地方気象台によると、寒気の流れ込みが弱く、暖かい空気に覆われていたため、平年より気温が高かったという。
宮坂宮司は「(今季は)気温の変動が大きく、寒さが続かなかった」とし、宮坂平馬大総代(65)は「(御神渡り出現は)厳しそう。早朝の諏訪湖の魅力を楽しみながら、最後まで監視を続けたい」と述べた。
昨季は御神渡りの出現に地元が湧き、見物の観光客も多かった。諏訪湖温泉旅館組合(諏訪市)は「旅行客も旅館も残念がっている。昨年を超える宿泊数は見込めないが、仕方ない」と話していた。

諏訪湖の水温を計測し記録する宮坂宮司(左)と総代たち=30日午前6時41分、諏訪湖
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