真心込め手書きでお礼 ふるさと納税
ふるさと納税の寄付者に対し、感謝の気持ちをカードに書く市職員(田辺市役所で)
和歌山県田辺市は、「ふるさと納税」で寄付してくれた人に、職員直筆のメッセージカードを送っている。自治体による返礼品競争の過熱が問題視される中、あえての手書きで一人一人に感謝の気持ちを届けている。
市へのふるさと納税の受け付けは、制度が始まった2008年度は21件(約431万円)だったが、14年度から返礼品に「白干し梅たる」を加えたところ7138件(約7600万円)へと急増。16年度には過去最多の9963件(約1億1343万円)が寄せられた。
ところが、寄付金集めを巡る自治体間の返礼品競争が激しくなったことを受け、総務省が17年4月、寄付額に対する返礼率を3割以下に抑えるよう通知。これを受けて返礼品の内容を見直したことや、人気の梅たるが年度途中に品切れとなったことから、17年度は7672件(約9307万円)と減少した。
過度な競争に乗っかるのではなく、寄付者とのつながりを大切にしよう―。そんな思いから、担当する市たなべ営業室の職員が発案したのが手書きのメッセージカード。返礼品とは別に、昨年9月から受領証明書と一緒に送り始めた。
これまでに書いたカードは約2700枚。職員が手分けし「たくさんの自治体の中から田辺市をお選びくださいまして、ありがとうございます」などのメッセージを1枚ずつつづっている。
「田辺産の梅干しはご堪能いただけましたでしょうか」「忙しい日々の中、梅酒でホッとひと息していただければうれしいです」など返礼品に応じた内容にすることもあれば「東京からは少し遠いですが、機会があればぜひ田辺市へお立ち寄りください」と相手が住む地域に合わせた一文を添えることもある。9月に大地震があった北海道から寄付してくれた人には「余震が続いていて、不安な日々をお過ごしかと思いますが、頑張ってください」と励ました。
メッセージカードを受け取った人からは、ハガキやファクスでお礼の言葉が届けられることがある。手書きのメッセージで心が温まったと、再度寄付してくれた人もいたという。
たなべ営業室の松本清子室長は「手間はかかるけれど、丁寧に感謝の気持ちを伝えたい。ふるさと納税を通じて田辺市のファンになっていただき、関係人口の増加にもつなげていければ」と話している。
市はふるさと納税による寄付金を、熊野古道の保全などさまざまな分野で活用している。
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