地域づくりへのアプローチに挑戦
東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の学生有志で組織する地域おこしサークル「Praxis(プラクシス=実践)」(遠藤小野花代表)が制作した冊子「ETHICAL(エシカル)」が話題になっている。長期学外学修プログラムで出向いた酒田市日向地区の情報を網羅したもので、冊子という媒体を通し、地域づくりへのアプローチに挑戦した意欲作。同サークルでは「学生という立場からしかできないことがきっとあると思う。手に取ってもらい、『日向』という地域を知ってもらえたら」と話している。
遠藤代表(2年)はじめサークルメンバーは本年度、年4学期制の第2クオーター(昨年6―8月)に小関久恵講師(社会福祉学、社会福祉教育など)が指導する長期学外学修プログラムを履修。毎週末に日向地区の民家に泊まり込んで地区住民と地域課題を探りながら、その解決方法を議論した。
議論を重ねる中で一番の課題に挙げられたのは、人口減少が著しい同地区の活性化。まずは多くの人から「日向ファン」になってもらい、地区に携わる「関係人口」を増やすため、地域内外の人が集える施設を設置することにし昨年9月、加藤雄大前代表(3年)らが中心となり、同市草津の「手打ちそば 鳳来」の2階空き部屋を借り受けてレストスペース「AL COFFEE」をオープンさせた。
「日向ファン」のさらなる増加を目的に制作したのが今回の冊子。タイトルの「エシカル」は「倫理的な」「道徳上の」という意で、「お互いさま」「おかげさま」といった日本独特の発想も併せ持つことから名付けたという。若者らしく「日向でデートする」がテーマ。同プログラムで得た知識を基に、「不動の滝(開運出世の滝)」「鳳来」「環境省猛禽類保護センター鳥海イヌワシみらい館」「玉簾の滝」といった紹介したいスポット・店をコースに組み込み、実際にモデル役の男女2人が出向いて写真を撮影。営業時間やアクセスなどのデータも充実している。このほか、地区住民を取材して生活ぶりなどをまとめた「日向diary」、地区のPR動画を作成している齋藤翔平さん(3年)によるコラムもある。
昨年10月に完成。これまで日向コミュニティ振興会主催「秋まつり」などで販売。遠藤代表によると、充実した内容に地区住民も驚き、次々と手に取って読んでくれたという。A4判、28ページ。当初の部数は完売したが、カラー印刷での再販が可能。実費頒布。冊子に関する問い合わせなどは公益大地域共創センター=電0234(41)1115=へ。

公益大生が制作した冊子「ETHICAL」。酒田市日向地区の情報を網羅しており、その若者らしい作りが話題になっている
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