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荘内日報社

バンコク―仙台便復活へ

 タイ国際航空のスメート・ダムロンチャイタム社長が12月30日―1月3日の4泊5日の日程で、庄内地方を含む東北地方の視察ツアーに訪れ、今年11月をめどにバンコク―仙台間の定期便の復活に向け、検討に入っていることを明らかにした。地元関係者らが、低迷している東北地方への外国人観光誘客(インバウンド)の切り札として復活を働き掛けていたもので、実現すれば周辺国を含む外国人観光客の増加につながると、期待が高まっている。

 タイ国際航空は2013年12月から14年3月まで、バンコク―仙台間に週3回の定期便を運航していたが、その後は政情悪化などを理由に休止していた。定期便復活は、庄内を拠点とする一般社団法人「みちのくインバウンド推進協議会」(理事長・熊谷芳則ホテルリッチ酒田社長)が、仙台市や、仙台空港を運営する仙台国際空港などと共に働き掛けていた。

 同推進協は15年9月に東北地方の観光、行政関係者らで設立し、タイの旅行会社「ワールド・プロ・トラベル」と連携し、タイのテレビ局撮影クルーの招致や旅行会社幹部のモニターツアー、一般の東北ツアーなどを実施。そうした中で、既に直行便がある北海道(札幌・新千歳)などに比べ、東北は東京からの二次交通費がかさみ、「日本で最も高額な旅行先」(タイの旅行会社社長)という課題が鮮明化。仙台への直行便を復活させ、仙台を起点に東北各地を巡るツアーモデルを構築しようと、昨年6月には仙台市もオブザーバーに加わるなど、関係機関と連携して実現を働き掛けてきた。

 今回、スメート社長は同推進協の働き掛けの下、仙台市と山形県の招請事業の一環で来日した。30日午前は仙台市内で郡和子市長や仙台国際空港の岩井卓也社長らと、午後には山形市のホテルメトロポリタン山形で吉村美栄子知事らとそれぞれ懇談した。

 山形市での懇談でスメート社長は仙台との定期便復活について「新路線開設には各種申請手続きなどの準備に通常は6カ月ほどかかるので、冬ダイヤに切り替わる11月をめどに検討を進める。双方でもっと早めようと調整できれば、夏ごろに早まる可能性もある。実現に向け、マーケティングや支援の在り方を調整していく」と述べた。

 吉村知事は「7、8月ごろに東北6県の知事がタイに東北観光のPRに行くことも検討している。その時はよろしく」と、相互の行き来に期待を寄せた。

 スメート社長はまた、「定期便の成功には双方の協力が不可欠。乗客数が一定程度あることが重要」と、定期便の維持にはタイから日本に来る客だけでなく、日本からタイに行く客の双方の確保が重要で、東北地方を挙げた支援の必要性を強調した。

 同席したワールド・プロ・トラベルのルンナパ・カンパヤ社長は「東北はいろんな旅行商品ができる魅力がたくさんあるが、今後も連携し、PRを続けないといけない。飛行機が飛んでも乗客がいないと駄目。例えば、タイに桜を1000本植えに行くプロジェクトなど、いろいろ考えていこう」とした。

 山形県インバウンド・国際交流推進課によると、定期便復活に向けた今後の具体的な調整は、タイ国際航空と仙台市、仙台国際空港の3者間で、着陸料や空港使用料、助成金の在り方など条件を擦り合わせていくことになる。山形県としても側面的に支援していくという。運航の頻度などは未定。機材は、タイ国際航空の280―300人乗り程度のものが使われる見通し。

 みちのくインバウンド推進協の熊谷理事長は「やっと国内の他地域と同じ土俵に立てる感じでうれしい。山形県、東北全体にとっても朗報のはず。定期便維持のためにはアウトの確保が重要で、100万都市の仙台を起点にするのは合理的。これまで東北に呼べるのは富裕層が中心だったが、今後は多様なお客さんを呼べる。タイで東北への関心が高まれば、周辺国にも波及していく可能性が高い。東北各地で呼び込みの競争が激化していくので、これからが本番。景観や食だけでなく、温かい人間味あふれるもてなしで差別化を図っていきたい」としている。

贈り物を交わすタイ国際航空のスメート社長(左)と吉村知事=30日午後4時ごろ、山形市のホテルメトロポリタン山形

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