鶴岡みらい健康調査セミナー 実体験や地域の取り組み学ぶ
鶴岡みらい健康調査セミナーが16日、鶴岡市先端研究産業支援センターで開かれた。「がんになっても自分らしく生きる、働く、暮らしていくために」をテーマに、基調講演やパネルディスカッションを繰り広げ、市民ら約270人が聴講。がん治療を続けながら働く人たちの実体験や、就労支援の現状と課題の解説を通じて、地域や職場のサポートや取り組みを考えた。
がん患者同士のコミュニティーサービス「キャンサーペアレンツ」代表理事の西口洋平さんと、国立がん研究所センター・がん対策情報センター・がんサバイバーシップ支援部研究員の土屋雅子さんが基調講演。続いて、鶴岡市立荘内病院内科・緩和ケアチーム医師で日本医師会認定産業医の和泉典子さんをモデレーターに、西口さんと土屋さん、特定社会保険労務士の佐藤弘子さん、慶應義塾大先端生命科学研究所からだ館スタッフの五十嵐真実さんの4人をパネリストに、「がんとともに働く~庄内地域の取り組み」を演題にパネルディスカッションを繰り広げた。
このうち西口さんは「35歳でがんになったパパの話」と題して講演。胆管がんのステージ4の診断を受けた後、週1回の抗がん剤治療を続けながら3年半働いてきた経験や、自身と同様に子どもを持つがん患者のコミュニティーサイトを立ち上げた経緯などを語った。
西口さんは「まず職場の人にがんであることを伝えるのがつらかった。有給はすぐに使い切り、キャリアが断たれ、収入は半減。自分のことより妻や子どもがどうなるのか考えるのがストレスだった。家族を助けてあげたいと思う気持ちへのサポートが必要と感じる」と語り、「病院は結構冷たい。子どもにどう伝えようか、仕事をどうするか、病院では全く話すことができなかった」と振り返った。
2016年4月に立ち上げたキャンサーペアレンツについては「現在全国に約3000人の会員がおり、山形にも25人の会員がいる」と紹介し、「心のよりどころになる場所。前向きになる中で、当事者同士が話し合い、糸口を見つけて実現していければ。アクションすることが力になり、治療につながっていく」と、絵本作りや学校でのがん教育、オフ会などの活動と利用者の声を紹介した。
セミナーは鶴岡地区医師会、慶應義塾大先端生命科学研究所、荘内病院、鶴岡市などでつくる実行委員会が主催した。

がんになっても働き続けられる地域や社会の在り方を考えたセミナー
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