特別賞に田辺の「トーワ荘」 きのくに建築賞

トーワ荘の共用リビングで受賞を喜ぶ中島大介さん、康代さん夫妻
中島大介設計工房(和歌山県白浜町堅田)がリノベーション(大規模改修)を手掛けたシェアハウス「トーワ荘」(和歌山県田辺市高雄1丁目)が、「第3回きのくに建築賞」の特別賞を受賞した。古い建物の良さを丁寧に残しながら再生した点が高く評価された。
建築三団体まちづくり協議会(和歌山市)が、郷土の美しい景観に寄与する優れた建築物を地域の資産と捉え、それを見いだす場として賞を創設した。建築物とそれに携わった人々の志に光を当てているという。
トーワ荘は築約50年の木造2階建てのアパートだった。同設計工房が依頼を受けた2015年当時は10年以上空き家で、取り壊しも検討されていた。調査したところ、構造はしっかりしていたことから、所有者の「用途を大きく変えず、地域に役立つ場所に」との意向を受けて、16年9月にシェアハウスとして再生した。
設計で重視したのは古い建物の持つ空気感や素材感。木製の建具や土塗壁など、50年を経て独特の味わいとなっている職人の手仕事の跡は、できる限り残した。一方で、2階同様に4室あった1階の個室は共用のリビングやキッチンに改装。水回りを整備し、風呂を設置するなど、今の時代に合う機能も加えた。
設計工房を運営する中島大介さん(41)、康代さん(40)夫妻は「町並みを構成する古い建物を残すことができてよかった。『トーワ荘』の名前は、先代の所有者が2人の子どもの名前から1字ずつ取って命名したと聞いている。所有者の愛着、工務店の技術があってこその受賞。若い人が入居し、共用スペースも面白い活用ができてきた。この場所の記憶や物語が次世代につながればいい」と語った。
審査員を務めた建築家の島桐子さんは「表面的なリノベーションが多い中、古い建物の良さを生かす姿勢が素晴らしい。困難を伴う仕事を若い力が成し遂げた」と講評。新築の建物や、大手設計事務所による受賞が多い中、異例の受賞となった。
最高賞のきのくに建築大賞は「南方熊楠記念館新館」(白浜町)を手掛けたシーラカンスアンドアソシエイツ(東京都)が受賞した。
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