高校と地球深部探査船つなぎライブ中継
通信衛星回線を使って坂口教授に質問する生徒(宇部高で)
山口県宇部高(古谷修一校長)で3日、紀伊半島沖で南海トラフを掘削中の地球深部探査船「ちきゅう」と通信衛星回線でつないだライブ中継が行われた。地学に興味のある生徒35人が参加し、巨大地震の発生メカニズムの解明に向けた研究の一端に触れ、乗船中の研究者に研究内容や船内での生活について質問した。 「ちきゅう」は国立研究開発法人海洋研究開発機構が所有する科学掘削船。23カ国が参加している国際深海科学掘削計画の主力船として、巨大地震や津波の発生メカニズム、海底下生命圏、地球規模の環境変動の解明などに挑戦している。 現在は2007年から続く南海トラフ地震発生帯掘削計画が集大成を迎えており、前人未到の超深度科学掘削を行っている。構造地質学の研究者で、山口大大学院創成科学研究科の坂口有人教授が乗船しており、生徒たちに対応した。 坂口教授は発生メカニズムの解明に向け、船内で水深2000メートルの海底から、さらに5000メートルを掘削した深部からの地質試料の回収や分析といった研究内容を説明。船内とは思えないほど充実した研究室なども映し出して紹介した。 生徒たちは「掘削ドリルで真っすぐに掘れるのか」「地質や波からどのように解明していくのか」「そこは震源域なのか」などと質問。坂口教授は丁寧に答え、「皆さんも研究に参加し、一緒にメカニズムを解明しよう」と呼び掛けた。 担当の岡田敏彦先生は「普段は見ることのできない世界。最前線の研究に触れ、関心を深めてくれれば」と期待。将来は地震について研究したいという山根悠輝君(3年)は「専門家と話せる機会はない。いい経験になった」と喜んでいた。
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