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北羽新報社

俳優2人思い込め恋文を朗読

ピアノ演奏に乗せて恋文20編を情感豊かに朗読した「シリーズ恋文」公演

 旧二ツ井町が行った「きみまち恋文全国コンテスト」入賞作品をピアノの即興演奏とともに披露する「シリーズ恋文vol・9」公演は2日、能代市二ツ井公民館で開かれた。俳優の石丸謙二郎さんと市毛良枝さんが20編の恋文を情感豊かに朗読し、会場を埋めた約300人の観客は1通1通の手紙に込められた思い、願いに耳を傾けた。 コンテストは、明治天皇が東北巡幸で旧二ツ井町を訪れた際に、夏の長旅を気遣う皇后の手紙が待っていたことから「徯后阪(きみまちざか)」と名付けられたというエピソードにちなんで、旧二ツ井町が6〜15年まで10回にわたって開催した。この10回で全国から合わせて3万4千編の作品が寄せられた。

 「シリーズ恋文」は、岐阜県の可児(かに)市文化芸術振興財団のオリジナル企画として22年に始まったもので、コンテスト入賞作品を俳優陣の朗読とピアノの即興演奏で披露する。今年で9回目で、恋文コンテスト発祥の地・二ツ井での公演は4年目。
 舞台では、恋人同士、妻から夫へ、その逆に夫から妻へ、子どもから母親へなど、愛する人に宛てた20編の「恋文」を、黒木由香さんのピアノ演奏と、詩森ろばさん(シリアルナンバー)の演出によって、石丸さんと市毛さんが時には、手紙中の会話を芝居形式に仕立てて朗々と、そして切々と披露。
 第1回コンテストに80歳で応募し大賞を受賞した柳原タケさん(秋田市、故人)の「天国のあなたへ」もあり、いつまでも色あせない愛情や感謝、思い出の言葉が詰まった作品を、柔らかく温かな朗読で紹介した。
 恋文には、愛する人へ込めたあふれるほどの思いや、つづった人の一生が凝縮され、音楽と効果的な演出によって引き立てられた。会場を埋めた観客は、届かない思いや心が通い合った時の感激、言葉の裏に込められた感情も感じ取り、手紙がつむぐ喜びと切なさ、美しさを楽しんでいた。
 石丸さん、市毛さん、詩森さん、可児市文化創造センター館長の衛紀生さんによるアフタートークもあり、石丸さんは初めて訪れた二ツ井に「ここが『恋文』の原点かと感慨深かった」といい、山好きの一人として「また来て七座山に登ってみようと思った」と話した。
 市毛さんは東日本大震災直後から柳原さんの作品に親しむ縁があったため二ツ井には特別な思いを感じていたといい、「6年ほどの時間の末に、二ツ井町に帰って来ることができた」という言い方で二ツ井公演を行えたことを喜んでいた。

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