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遊佐・アマハゲなど「来訪神」 ユネスコ文化遺産登録決定

 政府が昨年、国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産への登録を再提案した、遊佐町吹浦の「浦通り」と呼ばれる3集落に伝わるアマハゲを含む「遊佐の小正月行事」など8県10行事で構成する「来訪神:仮面・仮装の神々」について、モーリシャス共和国で開催中のユネスコ政府間委員会は29日、登録を決定した。政府間委員会最終日の12月1日(土)に代表一覧(遺産リスト)に記載され、正式に無形文化遺産となる。

 「来訪神:仮面・仮装の神々」は、仮面・仮装で異形の姿をした者が正月などに家々を訪れ、新年を迎えるに当たって怠け者を戒めたり、人々に幸や福をもたらしたりする伝統行事。リスト記載に向けて政府が2016年3月、既にユネスコ無形文化遺産に登録されていた「甑島(こしきじま)のトシドン」(鹿児島県薩摩川内市)を拡張する形でユネスコ事務局に提出。各国から審査件数の上限を上回る提案があったため、無形文化遺産登録のない国の審査を優先するという国際ルールに基づいて審査は先送りされ、政府は昨年3月に再提案していた。

 文化庁によると、政府間委員会による29日の決議では「行事を執り行うことによって、地域の人々、とりわけ子どもたちはアイデンティティーを造成し、コミュニティーへの帰属を発展させ、相互の絆を強めている。来訪神行事は人類の創造性も証明している」との高評価を受けたという。

 ユネスコ無形文化遺産は、文化遺産の保護などを目的として03年に条約が採択された。日本ではこれまで能楽(08年)や歌舞伎(同)、那智の田楽(和歌山県、11年)、和食(13年)、新庄市の「新庄まつり」を含む山・鉾・屋台行事(16年)など21件が登録されている。今回の「来訪神行事」は「トシドン」の拡張のため総数は変わらない。

 アマハゲを含む「遊佐の小正月行事」など「来訪神行事」のユネスコ無形文化遺産登録に、遊佐町は29日夜、お祝いムードに包まれた。

 町庁舎に隣接する町防災センターでユネスコ政府間委員会のインターネット中継を見守った那須栄一教育長によると、歓喜の瞬間は午後4時40分ごろ(日本時間)。「日本の前のジャマイカ(レゲエ音楽)の審査が長引いた。決定した、いよいよ日本の番だと思ったら、今度は音楽に合わせて踊りが始まった。現地時間でお昼前だったので、休みに入るかなと思った。待ちくたびれた」(那須教育長)と笑う。日本の審査自体は5分ほどで終了し全会一致で登録決定。文化庁の担当者が握手する様子が映し出されると、同センターに拍手が響いたという。

 同日午後6時前、庁舎屋上から「祝 ユネスコ無形文化遺産登録決定!遊佐の小正月行事『アマハゲ』」と書かれた垂れ幕を掲示。引き続き「遊佐のアマハゲ保存会」会長を務める時田博機町長、那須教育長、アマハゲを継承する滝ノ浦、女鹿、鳥崎3集落の区長が会見に臨んだ。

 くす玉割り、万歳三唱の後、時田町長は「3集落に伝承されてきた民俗行事が、世界を代表する文化遺産として認められたことは、町としてこの上ない喜び。保存・伝承してきた皆さんに感謝し敬意を表す」と述べ、「引き続き地域の皆さんに寄り添いながら、町として支援していきたい」と話した。

 アマハゲ保存会副会長を務める女鹿集落・高橋孝行区長は「集落では少子化が急激に進む。アマハゲのなり手を確保しながら、これまで通り継承したい」、保存会監事の滝ノ浦集落・高橋栄一区長は「これから大変だと思う。しかし、継承していかなければならない」と気を引き締める。保存会理事の鳥崎集落・池田文雄区長は「これまで一回も休んだことのない行事。できる限り続けていきたい」と誓った。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「アマハゲ」=今年1月3日、女鹿集落(上)ユネスコ無形文化遺産登録が決定。くす玉を割って万歳三唱する時田町長(前列左から4人目)ら関係者=29日夜

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