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西郷の教え伝える「南洲翁遺訓」 普及版増刷へ寄付募る

 幕末の英雄・西郷隆盛(南洲、1827―77年)の教えを学び現代に生かす活動を推進している公益財団法人「荘内南洲会」は、旧庄内藩士が西郷の言葉をまとめた冊子「南洲翁遺訓」の普及版を増刷するため、寄付を募っている。全国の希望者に無償で頒布する。

 庄内藩は戊辰戦争で、会津藩とともに新政府軍の標的となって戦い、降伏。会津が23万石から3万石に大幅に減封され、陸奥斗南藩に転封されたのに対し、庄内の処分は17万石から12万石への減封で、転封もない寛大なものだった。後にそれが西郷の指示だったと分かり、旧藩主・酒井忠篤らが鹿児島に行き、西郷に学んだ。西南戦争で西郷の官位は剥奪されたが、1889(明治22)年2月の明治憲法発布に伴う恩赦で回復。これを受け、旧庄内藩中老・菅実秀らが翌90年1月、西郷の教えを「西郷南洲翁遺訓」にまとめて1000部を刊行、全国を行脚して配った。

 荘内南洲会は1975年、三川町成田新田出身の教員・長谷川信夫氏(1913―97年)が中心になって設立した。酒田市飯森山二丁目の自宅で遺訓を学ぶ勉強会が次第に拡大していった形で、長谷川氏は69年から私費で岩波文庫版「西郷南洲遺訓」の無償頒布を始め、亡くなる前年の96年までの累計は約2万5000部に及んだ。

 長谷川氏は97年8月に死去。荘内南洲会は、同氏の心の灯を消すまいと翌9月、独自に普及版「南洲翁遺訓」を編集して発刊。長谷川氏の自宅敷地に整備された南洲会館・南洲神社への来場者や、全国の希望者に無償頒布してきた。

 普及版はA6判で88ペイジ。遺訓の本文のほか、岩波文庫版にはない副島種臣の序や、世間の人が西郷の功績ばかりを見てその根本の精神を忘れがちな風潮に抗してこの遺訓を世に出すという趣旨の序文などを添えている。これまで2002年4月と04年4月の2回、増刷している。

 今回は、西郷を主人公にしたNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」放映を機に、全国で西郷への関心が高まり、南洲会館への来場者も増えているため、第4版を発行する。資金200万円を寄付で賄い、来春にも2万8000部を発刊する計画だ。

 水野貞吉理事長(85)=鶴岡市稲生一丁目=は「旧庄内藩士たちは、西郷先生の精神を世に広め、これからの人づくり、国づくりはどうあるべきか考えてほしいと全国を行脚し、遺訓を配った。長谷川先生はその精神を受け継いで私費を投じ、文庫版を配った。普及版は、そうして受け継がれてきた西郷先生の精神を後世に伝え、これからの人づくり、国づくりに生かすためのもの。趣旨を理解し、ぜひ協力を」と寄付を呼び掛けている。

 寄付は、インターネットで寄付を募るクラウドファンディングのサイト「READYFOR(レディーフォー)」で12月28日まで受け付けている。電話でも受け付ける。問い合わせは荘内南洲会=電0234(31)2364、電子メールnanshu.k@jeans.ocn.ne.jp=へ。

南洲会館で遺訓の初版本(1990年の復刻版)と普及版(手前)を手に、寄付を呼び掛ける水野理事長

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