全国屈指のキャベツ産地、田原市で冬キャベツの出荷が始まった。この夏の記録的な暑さと相次いだ台風などの影響により、遅れていた生育は回復。農家は収穫、箱詰めに忙しい。 　愛知県は群馬県に次ぐ全国２位の出荷量。特に10～３月に出荷される冬キャベツは全国一で、田原市が県内１位を誇る。 　同市亀山町の山本達弥さん（45）方では、約５万平方㍍で栽培。７月下旬に種をまき、８月中旬に苗を定植した。苗は台風の強風にまかれた。根の張り具合、病気が懸念され「品種によっても違うが、生育が２週間は遅れた」と山本さん。ようやく玉も大きく育ち、本格的に出荷できるようになり、家族４人が畑で１個ずつ丁寧に収穫、作業場で段ボール箱に詰める。 　みずみずしいキャベツを手にする山本さんは「よくここまで育った」と愛情がにじむ。 　田原市の冬キャベツの出荷は３月まで。加熱すると甘味が増し、煮込み料理にぴったりで、しっかりと葉が巻いていて重いのがおいしいと言われている。 　同市では、３～６月に出荷の春キャベツも生産している。