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長野日報社

なぜこの場所に 水路脇に「和鏡」見つかる

(写真上)付近の場所を指し示す中島さん、(写真下)発見された中世の和鏡

 飯島町教育委員会は29日、同町本郷で中世(平安末期から室町時代)の和鏡1面が見つかったと発表した。5月に若森社遺跡に隣接する水路の脇の砂利の上に露出し、故意に置かれたようなきれいな状態で見つかったという。どうしてこの場所に、数百年前の遺物が保存状態良いままに、野ざらしであったのか?「謎が謎を呼び、見当がつかない」と、突如巻き起こった歴史ミステリーに関係者は頭をひねっている。

 町文化財調査委員会副委員長の中島淑雄さん(85)=同町本郷=が5月2日に自宅近くを犬の散歩中に発見した。いつものように下を向き、何か文化財の遺物がないか気にかけて散歩をしていたという。汚れもなくまっさらな和鏡を手にし「すごいものを拾った」と思ったが、すぐに「光沢もあるし、模造品では」と疑った。

 しかし、和鏡にも詳しい同じ文化財調査委員の伊藤修さん(68)=同町飯島=が調べ、町教育委員会が県立歴史館(千曲市)に持ち込んで調べたところ、「中世に制作された和鏡で間違いない」というお墨付きをもらった。

 この和鏡は面の直径が11・2センチ、重さ163グラム。材質は青銅で、菊の花と鳥が裏面に描かれている「菊花飛雀鏡。中世の和鏡が町内で発見されるのは2面目で、伊藤さんによると伊那谷では30面目で、近年は発見自体あまりない。

 今回の発見場所は、中世に一帯を治めた豪族・飯島氏一族の居館があったとされる若森社遺跡に隣接しており、伊藤さんは同遺跡に関係した遺物と推察。中世に和鏡は信仰の道具や埋葬品として使われており、遺跡内から出土した骨つぼとの関係性から「鎌倉時代のもので飯島氏に関係ある有力者の供養に用いられたものと考えられる。他地域から持ち込まれたものではないことは明らか」と見立てる。

 ただ、なぜこの場所で今になって見つかったか謎は深まるばかり。砂利は発見される1カ月ほど前に地権者が水路をさらったもので、和鏡には気付かなかったという。同歴史館は「非常に保存状態がよく、温度、湿度が一定に保たれた環境にあったと考えられる」としており土や水中で長年眠っていた可能性は低い。

 11月4~6日、土器や民具などを展示する町陣嶺館の特別開館で和鏡を出展。4日午前10時30分と午後1時30分の2回、伊藤さんと中島さんのトークイベントがある。

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