豊橋市内で29日に開かれた三遠南信サミット。参加者が「道」「技」「風土」「住・人」の4分科会に分かれ、第2次三遠南信地域連携ビジョン(新ビジョン)案に掲げた重点プロジェクトなどについて、行政や経済、住民の代表らが意見を交わした。主な分科会を紹介する。
「道」の分科会 豊橋市の藤原孝夫議長が、計画が打ち出されている浜松三ヶ日・豊橋道路と、整備中の三遠南信自動車道を含め「三遠南信地域の新たな縦軸(南北道)になる。圏域の新産業創出、一体感の醸成につながる」と意義を強調。長野県飯田市の清水勇議長も「三河港とつながれば、地域産業の強化になる」と新たな南北軸の実現に期待した。 長野県阿南町の勝野一成町長は、道路整備が進んだことの利点を紹介。「国道151号が整備されたおかげで、下宿せず高校に通学できるようになった。農産物は浜松まで出荷できるようになり、道の駅の来訪者も増加した」などの効果を挙げた上で「道路整備は経済、文化の発展に不可欠」と話した。 圏域の一体感の醸成としても、静岡県湖西市の影山剛士市長は台風24号による停電、交通渋滞を挙げ「国道1号など東西の道路が滞った。南信州からの部品の供給もあり、南北道の重要性が改めて分かった」と述べた。

「風土」の分科会 三遠南信地域の伝統芸能や食、JR飯田線などを観光客誘致にどう生かしていくのか、各市町村の首長や商工会議所関係者らが意見を交わした。 JR飯田線の価値を強調する意見が相次いだ。豊橋商工会議所の神野吾郎会頭は、三遠南信地域のシンボリック的な存在として提案。浜松・浜名湖ツーリズムビューローの前田忍事業本部長は「潜在的価値がある。地域の強みを分析していく中で、公共交通機関の在り方を議論していくべき」と話した。 また、観光戦略の中で食を資源として捉える意見も出た。奥三河など山間地域の郷土食「五平餅」がNHKの朝の連続ドラマで注目されたことから、人気を集めており、「食文化が持つストーリーを合わせてPRし、観光客誘致につながることを期待している」と設楽町の横山光明町長。神野会頭も「豊富な農畜産物を生かし、スペインのサンセバスチャンやイタリアのボローニャのように食をテーマに徹底的にやったら面白い」などと提案した。 一方で、各地域に点在する観光資源を線で結ぶ取り組みの必要性が浮き彫りとなった。美しい星空で村おこしをする長野県阿智村の熊谷秀樹村長からは「2泊3日かけ周遊してもらえる地域になるため、民間の力を借りて、全国発信に取り組まなければならない」と課題を指摘した。
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