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紀伊民報社

赤み弱いが甘さ評判 県開発のイチゴを栽培

ハウス内で「ゆづき」の手入れをする田野三紀子さん(みなべ町西本庄で)

 和歌山県みなべ町西本庄の農家、田野弘文さん(42)と妻の三紀子さん(43)は、県農業試験場が開発したものの、赤みが弱く果肉も柔らかいなどの理由で普及していないイチゴを大切に育てている。品種名は「和C19」。田野さんは県の了解も得て「ゆづき」という名前で販売している。生産量は少ないが、甘いとファンが増えているという。

 県農業試験場が開発し、2011年に品種登録された。県は同時期に開発した果皮や果肉の赤みが強く、市場に好まれる「まりひめ」の普及に力を入れているが、それに比べて白っぽいという「和C19」の普及は進めていない。「和C19」を栽培するのは県内でも田野さんの他、紀北で1軒くらいではないかという。  ただ、試験場の担当者も「果肉が柔らかく傷みやすいので輸送性も劣るが、果肉はジューシーでおいしいと思う」と評価する。  三紀子さんは、品種登録される前、試験場から試しに「和C19」と「まりひめ」を作ってみてといわれて育てた際、「和C19」の方がおいしいと思った。子どもも同じ感想だったという。「総合的には『まりひめ』かなと思うが、感覚的に味や甘さはどのイチゴよりも勝っている気がする」という。最初は4株から自家用として育て始め、少しずつ苗を増やし、梅栽培と並行し、今は約4アールで栽培している。  田辺市上秋津の農産物直売所「きてら」で販売しており、長女の小学3年生、結月さんの名前にちなみ「ゆづき」と名付けている。「このイチゴに砂糖や練乳は要らない」という人もいるなど甘さが好評。年々人気が出て、待ってくれている人もいるという。  三紀子さんは「子育てより難しかった」と冗談交じりに話すが、愛情をかけて育てており「そのまま食べても甘く、子どもからお年寄りまで食べてもらえる。生産が追い付かないのが悩みだが、欲しいと言ってくれる人がいてうれしい。作りがいがある」と話す。

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