全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

長野日報社

太宰治「晩年」の直筆署名入り初版本 下諏訪で見つかる

 日本の近代文学を代表する作家、太宰治(本名津島修治、1909~48年)が短編集「晩年」を刊行した際、文芸評論家の亀井勝一郎(1907~66年)に直筆の献辞とともに贈った初版本が、下諏訪町で見つかった。亀井を師事した元美術教諭の黒田良夫さん(86)=同町久保海道=が長年大切に保管していたもので、諏訪大社下社秋宮近くの根津八紘美術館で初めて一般に公開した。黒田さんは亀井家に返却するか、日本近代文学館(東京)など研究機関に寄贈したいと考えている。

 「晩年」は1936年6月、砂子屋書房から刊行された短編15編からなる処女創作集。心中から生き残り、共産主義運動にも挫折した27歳の太宰が、自殺を前提に自らの人生を書き残した。そこに収められた「逆行」は第1回芥川賞の候補作(結果は次席)となり、太宰は新進作家として文壇の注目を集めていく。

 「亀井勝一郎全集第5巻」(講談社)の「太宰治の思ひ出」によると、亀井が太宰に初めて会ったのは36年に上野精養軒で開かれた「晩年」の出版記念会だった。健康を害していた太宰は支えられて立ち上がり、ほとんど何も語らず涙を流して感謝を伝えた。「彼はふるへる手で、私に『晩年』を渡した」とある。

 さらに「その扉には筆で大きく、『朝日を浴びて、赤いリンゴの皮をむいてゐる、ああ、僕にもこんな一刻。亀井勝一郎学兄。』とかいてあった」と記した。公開された初版本には記録通りの献辞とともに、太宰治の「治」のサインが残されている。

 黒田さんは武蔵野美術大学の画学生のころ、特別講義を機に亀井を師事し、自宅に通うようになった。当時「太宰の何を読めばいいですか」と聞くと、亀井は「『晩年』と『津軽』だね」と語り、手に取った「晩年」を「太宰さんの署名があるから大事にしなさい。きみにあげよう」と手渡したという。

 黒田さんは自らの晩年を自覚し、根津八紘美術館内の黒田良夫文庫で開催中の展覧会「わが邂逅のなつかしきひとびとの書籍・墨跡展」が最後の機会だと考え、公開を決めた。「激しい葛藤の中で生きた太宰の人間像は人それぞれあるが、初版本にまことに穏やかな一面を残した。亀井先生に安らぎを感じていたと思う。意味のある献辞だ」と話している。

 同美術館は火曜日休館。開館時間は午前10時~午後5時。入館無料。

関連記事

消防士体験でヒーロー気分

豊橋市「ふるさと納税」返礼品の一つ  自治体を選んで寄付をするふるさと納税制度で豊橋市に寄付した人ができる消防士の仕事体験「ファイヤーヒーロー体験」が16日、市中消防署で行われ、浜松市内の親子1組...

紀伊民報社

大たいまつ製作進む 那智大社で例大祭

 那智勝浦町那智山の世界遺産・熊野那智大社(男成洋三宮司)で、国の重要無形民俗文化財に指定されている例大祭「那智の扇祭り」(7月14日)で使われる大たいまつの製作が進んでいる。  熊野那智大社に...

新鮮野菜求め列 帯広市内サラダ館で「おはよう朝市」

 地元農家が手頃な価格で野菜を販売する「おはよう朝市」が16日午前7時から、帯広市都市農村交流センター「サラダ館」で開かれた。悪天候ながらも多くの来場があり、新鮮野菜を買い求めた。  6月中...

長野日報社

すわっこランド400万人 開館15年目

 諏訪市豊田の温泉・温水利用型健康運動施設「すわっこランド」で15日、オープン以来の入館者数が累計400万人を達成した。幸運な入館者は松本市の女性。金子ゆかり諏訪市長から達成証明証と同施設利用...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク