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紀伊民報社

キクラゲでスイーツ 復興の印商品化

キクラゲやホウレンソウが入ったパウンドケーキ「郷想い」(田辺市伏菟野で)

 和歌山県田辺市伏菟野の団体が橋本市と連携して商品開発したパウンドケーキが、飲食店情報を集めたウェブサイト「ぐるなび」の土産品紹介企画で取り上げられる。2011年の紀伊半島大水害からの復興を目指し、栽培が始まったキクラゲを使ったスイーツ。伏菟野の地域ブランドの発信に期待が高まる。

 伏菟野の団体は、地区在住や出身者が復興や活性化を目指し16年11月に設立した「伏菟野きくらげ生産組合」。今年3月にはキクラゲの加工と販売を担う関連会社「南紀ファクトリーLab」を設立した。いずれも代表を務めるのは、被災者でもある打越さとみさん(49)=田辺市中三栖。  橋本市との商品開発は、打越代表が、大手事務機器メーカーの元営業マンだった親戚で地元出身の打越務さん(61)に販路開拓で相談し、務さんの元同僚を通じて橋本市の担当職員を紹介してもらったのがきっかけ。橋本市は地元産品を市外の団体や事業所とのコラボによって売り出す企画を展開しており、「大水害からの復興を目指して頑張っている。手助けになればと思った」(市経済推進部)と連携が実現した。  務さんの元同僚からは田辺市高雄のパティシエ、戎亙さん(56)も紹介してもらった。白浜町と京都で洋菓子店を経営していた経験があった。主に商品開発を担ったのは戎さんで、キクラゲの粉末を「面白い素材」として注目し、パウンドケーキにすることを決めた。  橋本産の素材は、特産のホウレンソウと柿の2種。国産の材料と無添加、無着色にこだわるほか、小麦粉アレルギーに対応したグルテンフリーの食べ物として大豆と米粉を主材料にした。キクラゲは粉末だけでなく、ブランデーシロップ煮を使っている。植物繊維、骨や歯を丈夫にするビタミンDなどが豊富なキノコで、戎さんは「普通では思いつかない食材を使ってケーキにした。栄養を取れるのはもちろん、しっとり感が増す」と話す。

「ぐるなび」で紹介

 商品名は「郷想い(さとおもい)」。大水害からの復興とまちおこしの願いを込めたという。  田辺市の旧伏菟野小学校舎の給食室で9月中旬から製造を始め、発売に備えている。  「ぐるなび」の土産品紹介企画は「接待の手土産」。パウンドケーキは、今秋の新シリーズ「秋に贈りたい逸品・美食の秋ギフト2018」として10月9日に加わる。  5日には、きくらげ生産組合と橋本市が提携する調印式が同市で開かれた。打越代表と平木哲朗市長が提携の覚書に調印した。  市経済推進部によると、今後は高級ホテルに売り込むほか、市の贈答品として活用し、ふるさと納税の返礼品に加えることも検討する。「田辺市と橋本市が熊野と高野山といういずれも世界遺産の地の玄関口である共通点を生かし、売り出したい」と期待する。  打越代表は「古里を思う気持ちを込めた商品。全国に発信し、和歌山の新たな特産品として広まっていけばうれしい」と話している。

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