貴重な奇術道具が帯広に プロ団体から寄贈

マジックミュージアムに寄贈された平岩氏の作品。右から2人目が花島会長、同3人目は坂本館長
プロマジシャンでつくる日本奇術協会(東京)の花島皆子会長は27日、帯広市内にある日本唯一のマジック専門博物館「マジック・ミュージアム」(西2南9・坂本ビル3階、坂本和昭館長)を訪れ、アマチュアマジシャンの故・平岩白風氏の貴重な手作りマジック道具を寄贈した。
2005年に死去した平岩氏は、日本の伝統奇術「手妻(てづま)」研究の第一人者。創作マジックの名手で、独自の道具を多数製作した。
平岩氏の死後、遺族は約2万点の道具を協会に寄贈。協会は有効活用するため、希望する愛好家に提供していた。手妻の保存に力を入れる協会は「多くの人に見てもらうには最もふさわしい場所」として、厳選した作品約30点をミュージアムに寄贈した。
寄贈したのは木製のカードマジック道具や指用ギロチンなど、昭和30~40年代に作られた味わい深い作品。「ガックリ式飛行箱」「ジグザグ牛乳」と書かれた木箱や牛乳瓶もあるが、説明書はなく、「どのように使うのか、皆で考えるのも楽しみの1つ」(協会)という。
協会会員3人とともに、初めてミュージアムを訪れた花島会長(71)は「想像以上に素晴らしい。多くの人に見てもらい、マジシャンを目指す人が増えてほしい」と話した。
平岩氏の著書を読み、マジック道具を自作したこともある坂本館長(60)は「プロの団体から寄贈を受けたのは名誉なこと。1点物のコレクションが加わり、ミュージアムの価値が高まる」と喜ぶ。平岩氏の著書で使い方を研究し、10月中にも特設コーナーを設置する予定。
ミュージアムは4万7000点以上のマジック道具や関連書籍などを展示・収蔵している。完全予約制で、入場料は小学生以上500円。問い合わせはミュージアム(0155・22・0132)へ。
<手妻>「手を稲妻のように、素早く動かすこと」が、語源。白い半紙を破って作った蝶が、扇子の風で空中を舞う「胡蝶の舞」、水芸などがある。「和妻」と呼ばれることもある。
関連記事
「持ち帰らないで」 外来生物オオキンケイギク
特定外来生物のオオキンケイギク(キク科)が、和歌山県紀南地方の河川敷や道路沿いなどで鮮やかな黄色の花を咲かせている。取り扱いには注意が必要で、栽培や運搬、販売、野外に放つことなどが外来生物法で...
羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”...
ホワイトアスパラ無償提供 音更・竹中農場が帯広の仏料理店へ 恩人に感謝
音更町の竹中農場(竹中章代表)は、農場で収穫するホワイトアスパラガスを、フランス料理店「メゾン・ド・ルミエール」(帯広市西8南14、奥村彰教オーナーシェフ)に無償提供、同店で23日からホワイトア...
「日本一学生が活躍するまちづくり」始動 若者の視点で施策吟味【宇部】
宇部市は21日、学生と一緒に市の事業を企画・提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第1回を山口大工学部の「志イノベーション道場」で開催した。公募に応じた県内の学生43人が...