マツタケ「豊作」に期待も雨の降りすぎ不安 上伊那地方

マツタケの収穫期を迎えた上伊那地方。夏の猛暑と少雨の影響が心配されたが、9月にかけての気温低下と降雨で発生が本格化。不作だった昨秋と異なり直売所にも一定の量が入る。「松茸博士」として知られる伊那市の藤原儀兵衛さん(80)は「ここまでは悪くない。豊作も期待できそうだ」と予測。ただ、盆明けに見舞われた極度の低温や雨の”降りすぎ”など「不安要素もある」と言う。藤原さんの山仕事に同行して今後のポイントを聞いた。
マツタケは地中の温度(地温)が19度以下になると発生に向けて芽が動き出す。その後、厳しい残暑で地温が再上昇すると芽が死んでしまうため、気温・地温が乱高下することなく緩やかに下がっていくのが理想という。
発生地点は「シロ」と呼ばれ、藤原さんは「早いシロからは順調に出てきている」と現況を説明。株状となって発生した所もあり「豊作の年に見られるもの。いい兆し」とする。夏の記録的高温を経て大豊作となった2010年秋を例に出し「高温の度合いはあの年以上だが、雰囲気は良く似る」との見方を示す。
ただ、10年と異なるのが盆明けの気温推移で、8月17~18日は、それまでの高温傾向から一転し、13度前後の日最低気温を観測。藤原さんの標高1000メートルの山では地温が17度まで急降下した。数日後から最高気温30度以上が連続しており、「戻り温度(地温再上昇)の影響を受けていなければいいが」と懸念。山によって作柄に差が出ているのでは―とも推測する。
豊作年にはタイミングのいい雨があるが、伊那の9月の降水日数はここまで12日間もあり「降りすぎている」。腐りなどの品質低下を招く恐れがあり、地温を下げて発生期間を短くしかねないとする。
「地温が12度を切るとほぼ終わる。自然相手だが、地温が15度前後の状態をどれだけ長く保持できるかがポイントになる」と指摘。「この先しばらくは雨が降らず、少しずつ乾いていけば豊作の期待が高まってくる」とみる。自身の山では「マツタケ泥棒が例年以上に目立つ」といい、カメラを増設して監視を強めている。
関連記事
帯広産ごろり「リアルメロンパン」 地元農家応援、名物商品に採用 はるこま..
帯広市内のパン店「はるこまベーカリー」(栗原民也代表、西19南5)は、帯広産の希少な青肉メロン「キングメルティー」を使用した「十勝リアルメロンパン」を7月末ごろまで販売している。富良野産の赤肉メ...
厳かに「火合わせ神事」 鳥海山頂の神火望見でき感激
鳥海山の山頂直下と7合目の御浜、遊佐町吹浦の西浜海岸、酒田市の宮海と飛島で一斉に火をたき、火の見え具合で農産物の作況を占う「御浜出(おはまいで)神事」が14日夜、厳かに執り行われた。 同町の鳥海...
課題発見、解決へアイデア 「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ..
奨学金制度改善や医学生の相談室 学生と宇部市が協働して市の事業を企画、提案する「日本一学生が活躍するまちづくりワークショップ」の第7回が16日、市役所で開かれた。学生は個人またはグループで...
マンゴーの季節到来 収穫期迎え出発式 徳之島天城町
鹿児島県徳之島の天城町熱帯果樹生産組合(作山和久組合長)が主催するマンゴー出発式が16日、同町大津川の果樹園であった。同組合によると、2025年産は開花期の受粉の不良で小玉傾向にあり、生産量は...