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北羽新報社

森岳歌舞伎 表現力豊かに

大勢の見物客を魅了した森岳歌舞伎の公演(三種町森岳の農村歌舞伎会館で)

 三種町の「伝統芸能の祭典inみたね」は16日、同町森岳地域で開かれた。昼の部は山本ふるさと文化館で町内外の番楽や踊り、子ども歌舞伎のステージが次々と繰り広げられ、それぞれに個性ある伝統芸能の魅力をアピール。夜は八幡神社境内の農村歌舞伎会館で森岳歌舞伎の公演が行われ、保存会メンバーが舞台で稽古の成果を披露し、町内会から訪れた見物客が熱演に盛んな拍手を送った。

 同祭典は、森岳歌舞伎保存会や同後援会、町芸術文化協会などで組織する実行委員会(佐藤家隆会長)主催。
 森岳歌舞伎は、江戸時代中期、諸国行脚中に病に倒れた山伏が村人の手厚い看護に感謝して伝授したのが始まりとされる。森岳歌舞伎が伝承されていることもあり、同町では26年の国民文化祭をきっかけに地歌舞伎の祭典が始まり、28年には同祭典と町芸術文化協会の民俗芸能祭りを併催。昨年からイベントの名称を変えて一本化した。
 山本ふるさと文化館で開催された昼の部には、同町の森岳子ども歌舞伎、中館番楽、じゅんさい音頭、志戸橋番楽のほか、能代市の鰄渕番楽、五城目町の山内番楽が出演。幕間には三種町方言劇同好会のメンバーが登場し、漫談風の掛け合いを披露して楽しませた。
 森岳子ども歌舞伎は、保存会が新調した子ども用の衣装を着て、名うての盗賊が顔を合わせて名乗りを上げる「白浪五人男」を演じた。出番を終えた「日本駄右衛門」役の石井陸君(森岳小6年)は「見えを切るところが見どころ。少し声が乱れたので、夜の公演では頑張りたい」と話した。
 農村歌舞伎会館での夜の部には、森岳通り音頭、森岳子ども歌舞伎、森岳歌舞伎が登場。森岳歌舞伎は、源平合戦を描いた「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんきあばら)屋の段」を4年ぶりに上演した。
 物語は、歌の師である藤原俊成に今生の別れを告げた平家の武将・薩摩守忠度が、陣門が閉じていたため帰陣できず、一夜の宿を請うため偶然たどり着いたあばら屋が舞台。あばら屋の主はかつて俊成の屋敷に乳母として仕えていた「はやし」で、はやしと泥棒に身を落とした息子の太吾平とのこっけいなやりとり、忠度と菊の舞姫との悲恋、手柄にはやる源氏の武将・梶原景高との組み打ちなど、見どころたっぷり。
 保存会メンバーは、積み重ねてきた稽古の成果と経験を発揮した表現力豊かな演技で観衆を歴史絵巻の世界に引き込み、熱演に応える拍手と掛け声が飛び交っていた。

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