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荘内日報社

「北限のすだち」たわわに

 酒田市浜中の県庄内総合支庁農業技術普及課産地研究室で栽培されているかんきつ類の一種「スダチ」がたわわに実り、収穫作業が始まった。地球温暖化に伴う適応性調査のため2010年シーズンから、カボスやユズ、温州ミカンなどとともに試験栽培しているもの。搾りやすくするため果皮を少し乾燥させる「予措(よそ)」を終えたものから順次、鶴岡、酒田両市内の飲食店や宿泊施設などに有償で提供し、品質を評価してもらう。

 東北地方では100年後の年平均気温が2―3度上昇すると予測され、庄内地域の一部が温州ミカンの栽培に適する年平均気温15―18度になる可能性があるという。県は長期的な視点に立ち2010年、「地球温暖化に対応した農林水産研究開発ビジョン」を策定。これを受け、同研究室は温暖地型作物の栽培適応性調査の一環で、広くかんきつ類の試験栽培をスタートさせた。

 調査結果からスダチの適応性が高いことが分かり14年、県庄内総合支庁とJA全農山形、各市町などによる「庄内地域スダチ生産拡大プロジェクト」がスタート。16年まで3カ年にわたって栽培実証や販路確保に取り組んだ。また、同支庁は同年から「庄内産北限のすだち」と銘打ってPRを図っている。

 同研究室開発研究専門員の安孫子裕樹さんによると、昨シーズンは6本の樹木から1本当たり300―400個を収穫。地元の飲食店や宿泊施設に有償で提供したところ、店主、経営者からは「地元産のため鮮度が高い」など、かなり好評を得た。「昨シーズンは着果数が少なかったため、『もっと欲しい』という飲食店からの要望に応えることができなかった」(安孫子さん)という。

 今シーズンの収穫作業は今月4日にスタート。11年生になった6本に加え、7年生の若木10本からも収穫する予定。安孫子さんによると、今年2月には氷点下10度以下と冷え込んだ日もあったが、青々とした葉をつけるなど他のかんきつ類に比べて耐寒性の高さが確認されたという。今シーズンは暑さや病害虫による障害も少なく、昨シーズンと比較して着果数はかなり多め。2Lサイズ(直径36―39ミリ)のスダチ計約1万個の収穫を見込む。「黄色みがかってくると酸味が少なくなる。今月中には収穫作業を終えたい」(安孫子さん)という。

 これまで研究を進めてきた貯蔵方法もほぼ確立しつつあり、安孫子さんは「温暖地域と比べても遜色ない高品質のスダチができた。スダチは魚介類と相性が良いほか、茶わん蒸しに入れたり、スダチそばにしたりと使い道が多岐にわたっている。『北限のすだち』を味わってもらう機会をつくっていきたい」と話した。

産地研究室でたわわに実ったスダチを収穫する安孫子さん。個数は多いものの、低木のため収穫作業は比較的容易という=6日午後

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