岩戸神楽舞の復活継承に復興委員会設立
奉納される神楽舞
山口県宇部市万倉の二ツ道祖(ふたつさや)地区に約260年前から伝わる舞「岩戸神楽舞」が、後継者不足により消滅の危機にひんしている。伝統的な舞を復興させようと、地元有志ら10人が30日、万倉ふれあいセンターで復興委員会を設立。掛け替えのない文化財を守るための第一歩を踏み出した。岩戸神楽舞は、毎年12月5日の夜に、地区東部の伊勢山に祭られる皇(こう)大神宮に奉納されていた。「神楽舞」「三宝の舞」など10種12座に天蓋操作が加わり、13座から構成。榊(さかき)、鉾(ほこ)などの採り物を手に舞うのが特徴で、1958年には、県指定無形民俗文化財にも指定された。一家相伝の特技として、長年地元住民らに継承されてきたが、2008年を最後に中断。復活を望む声が多く、復興計画を2度立てたが、資金、人材面で難航した。
今回は有志らが県の中山間地域振興特別対策事業補助金制度を利用し、復興委員会を設立した。会長には万倉校区コミュニティー推進協議会会長の矢原久登さんが就任。矢原会長は「最後のチャンスだと考える。舞は地域の宝。何としてでも復興させ、次世代に語り継ぎたい」と意気込む。第1回総会では、今後の活動方針について審議。取り組みは、3年計画で実施すること、復興した際には会は解散し、現在ある同舞保存継承会(矢原会長)に引き継ぐことなどを申し合わせた。当面の目標は19年4月のつつじまつりでの仮披露。舞の楽譜の制作、奏者、踊り手の確保、衣装の新調に力を注ぐほか、練習体制の構築にも努める。
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