味にこだわる「子ども食堂」 駒ケ根に開店
山越さんの説明を受けながら食事を楽しむ子どもたち
本物の味で触れ合いをと、駒ケ根市の有志が4月30日、子ども食堂「つながる食堂・おいでなんしょ」を市ふれあいセンターで開いた。ホテルの料理長や配食ボランティアをしていた女性らが、地域の旬の食材を生かしたこだわりの献立を用意。子どもの貧困対策のほか、食育や高齢者との交流など、地縁を結ぶ拠点に育てていきたい考えだ。
経済的な貧困だけでなく、核家族化や両親の共稼ぎなどで子どもの「孤食」や食事の「質の貧困化」、食品ロスなどを懸念する駒ケ根グリーンホテル総料理長の山越信治さん(75)らの呼び掛けに、昨年3月で活動を終えた市社会福祉協議会の配食サービス「ときめきランチ」にボランティアで参加していた主婦や農業、商業関係者らが賛同。2月に関係者で試食会を開くなどして準備を進めてきた。
この日の献立はタラの芽やコシアブラ、菜の花などの天ぷらやタケノコ団子、タケノコと鶏肉の炊き込みご飯など、旬の山菜などをふんだんに使った6品。食材は9割以上を地元の農家やスーパーマーケット、NPOホットライン信州などの支援を受けた。山越さんの指導で女性ボランティアらが丁寧に調理。高校生以下は無料、大人は300円で提供した。
会場となった市ふれあいセンターには午前11時のオープン直後から続々と人が集まり、食堂はすぐに満席に。来場者らは隣り合った人と会話を交わしたり、山越さんから料理の説明を受けたりしてにぎやかに春の味覚を楽しんだ。食事後は紙芝居やゲーム、世間話などで交流を深めた。
同市東伊那に住む祖母らと訪れた辰野愛央衣さん(11)=宮田村=は「山菜や野菜の味がよく分かっておいしい。家でもしっかり食べるようにしたい」と話していた。
今後は夏休みの時期の開催を予定しているほか、「軌道に乗れば、定期的の開催を目指したい」(山越さん)。代表を務める前赤穂公民館長の肥野みさをさん(66)=同市町二区=は「きちんと手間をかけた家庭料理の、本物の味を子どもたちに知ってほしい。食を通じ、子どもや高齢者、調理ボランティア、協力者など、関わる人たちのつながりが広がる場にしていきたい」と意気込んでいる。
関連記事
道の駅おとふけイチオシメニュー決定 ふわとろドリア、あんバターどら焼き
道の駅おとふけの出店9飲食店でつくる「道の駅おとふけ飲食分科会」(リーダー・阿部利徳らぁめん藤代表)は11日、飲食部門とテークアウト部門のイチオシメニューを選定した。飲食部門は「ふわふわチーズと...
香川高ユネスコ部「交通安全グッズ」開発プロジェクト 家庭科の教科書に採用..
宇部フロンティア大付属香川高ユネスコ部(木下優華部長、6人)の反射材を利用した交通安全グッズ開発の取り組みが、実教出版(東京都)が発行する家庭に関する科目「生活産業基礎」の教科書に掲載され、...
町無形文化財、棒踊り奉納 島中集落で「亥の日遊び」 喜界町
鹿児島県喜界町の島中集落(25世帯50人)で7日、「亥(い)の日遊び」(豊年祭)があった。毎年旧暦10月最初の亥の日に行われる伝統行事で、地元住民や出身者が集落の氏神のもと一堂に会し、戦前から...
徳田虎雄さん、功績たたえ追悼 故郷で「偲ぶ会」500人参列 徳之島町
7月に死去した医療法人徳洲会の創設者で元衆院議員の徳田虎雄さんを追悼する「徳田虎雄氏を偲(しの)ぶ会」が12日、出身地の鹿児島県徳之島町であった。徳之島内外から約500人が参列。日本最大の医療...