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木製サイロ復元、地域の歴史学ぶ場に 安平のはやきた子ども園敷地内

はやきた子ども園の敷地内で完成した木製サイロ。地域の酪農の歴史を伝える

 安平町遠浅の牧場で昭和初期の開拓期に建てられ、2015年に老朽化で解体された木製サイロが、同町のはやきた子ども園敷地内で復元され、7日に完成した。同園が同町指定文化財にもなっていた木製サイロの解体古材を引き取り、園の子どもたちに地域の歴史を伝えようと建て直した。元の姿を取り戻し、長年このサイロを守り続けてきた牧場の関係者や町も喜んでいる。

 木製サイロは、同町遠浅の山田羔(こう)牧場で1931(昭和6)年に建設された。空知川の木造橋架け替え時に払い下げを受けたエゾマツ、トドマツの古材を使って建造。柱のない「漬け物桶(おけ)式」と呼ばれる造りで、高さ10・9メートル、内径4・5メートル。120トンの飼料を貯蔵できた。

 78年ごろまで使用し、牧場主は遠浅酪農の歩みを記憶する建造物として保存。全国でも珍しい現存の木製サイロとして旧早来町が2004年に町有形文化財に指定した。しかし、腐食や老朽化が進み、倒壊の可能性もあるため、文化財指定を解除した上で、牧場は15年12月に解体。貴重な古材は町が引き取り、保管していた。

 こうした中で、はやきた子ども園が「地域に歴史や文化を子どもたちに伝えたいので復元したい」と町に打診。快諾した町から古材を受け、町の補助金も活用し、総工費約420万円を投じて7月中旬から建設を進めてきた。

 復元された木製サイロは高さ8メートル、内径3・6メートル。外壁に元のサイロの古材をそのまま用い、新しい木材で補強用の柱や梁(はり)を組んだ。内部は園の子どもたちの休憩ルームとし、本棚を置いて読書できるようにするという。

 設計・建築を担当したシンクボックス(苫小牧市豊川町)の木藤祐樹社長(45)は「周囲の建造物と調和するよう一回り小さいサイズに設計した。建物の床が丸いので、材料の加工に手間がかかった」と苦労を振り返った。同園の井内聖園長(44)は「安平町が誇る歴史と文化を、子どもたちは日々自然な形で学ぶことができる」と復元の意義を強調し、西嶋基PTA会長(46)も「町のシンボルの復元に子どもたちもうれしいようだ」と話した。同園は今後、完成セレモニーを計画するという。

 完成に町や元の所有者の牧場関係者も喜ぶ。町教委次長時代に木製サイロの保存に関わった及川秀一郎町長(53)は「旧早来町民にとってなじみ深い木製サイロを、旧追分町のSLと共に、合併後の安平町の貴重な文化として大切にしていきたい」と話す。山田羔牧場で夫と共にサイロを守り続けてきた山田美恵子さん(83)は「子どもたちの学びの場として生まれ変わり、何よりです」と声を弾ませた。

 サイロ研究者で北海道大学大学院工学研究院の池上重康助教によると、道内で現存する木製サイロは少なく、「札幌や道東などで数カ所残っている程度ではないか」と言う。

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