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大道芸人のギリヤーク尼ヶ崎さん 25日、4年ぶり苫小牧公演

芸歴50年のお祝いとして俳優の近藤正臣さんから贈られたのぼり旗を手に笑顔を見せるギリヤーク尼ヶ崎さん(紀あささん撮影=7月14日、東京渋谷区の近藤正臣さんの事務所)

 函館市出身の大道芸人、ギリヤーク尼ヶ崎さん(87)=東京都在住=が25日、苫小牧市内の表町公園で4年ぶり、通算29回目の青空舞踊公演を行う。88歳の誕生日を迎える19日の函館公演後、苫小牧入りする。10年来の交流があり、黒子役で活動を支える大道芸人の紀(きの)あささん=横浜市在住=がこのほど来苫し、公演世話人の辻寿美子さん(66)=苫小牧市日新町=と公園の下見や打ち合わせを行った。

 国内外の路上で半世紀にわたり鎮魂の踊りを披露してきたギリヤークさん。パーキンソン病や脊柱管狭窄(きょうさく)症などを患い、一時は公演中止を余儀なくされていたが、懸命のリハビリで復活を遂げた。全身全霊を傾けた踊りは見る者を強く引き付け、佳境に入ると観客から「ギリヤーク!」などと掛け声が上がり、投げ銭も飛び交う。

 苫小牧公演は1985年にスタート。初回から表町にあった老舗ライブハウス「アミダ様」の故田中充(ツル)さんを中心に企画され、毎年7月1日、道内公演の口火を切る形で行われてきたが、ギリヤークさんの体調が振るわなくなった2015年以降は開催を見合わせていた。

 今年はギリヤークさんが8月で88歳となり、10月に芸道丸50年を迎える節目で、16年に亡くなったツルさん追悼公演と銘打ち、25日午後1時から、祈りの踊りを披露することになった。

 木製の手回しオルガン奏者で写真家の顔も持つ紀さんはギリヤークさんの写真集を出版するなど長年活動を見守ってきた。ギリヤークさんが進行性の神経変性疾患であるパーキンソン病や腰部にしびれを感じる脊柱管狭窄症を患いながらも芸への情熱で活動を再開させた16年10月から、黒子役としてギリヤークさんの全国各地の公演に随行している。

 7月下旬に来苫し、表町公園で行った下見では、苫小牧公演の実現に向けて活動する市民有志の世話人の辻さんと過去の公演の様子を撮影した写真と比較しながら、公演時の動きや必要な資材の数、配置などを確認した。

 東京にいるギリヤークさんと電話がつながると、古くから交流がある辻さんとの昔話に花が咲いた。観光バスガイドだった辻さんは「私のことは『ガイドさん』の名で覚えてくれていた。久しぶりに会えるのが楽しみ」と笑顔を見せた。

 電話口のギリヤークさんは「ツルさんは古い友人でお世話になりました。苫小牧で踊るのは久しぶりで懐かしい気持ち。いつもは噴水の前で夕方に踊っていましたが今年は昼間です。頑張ります」と話した。  紀さんは「苫小牧で長年、ギリヤークさんを見守って来られた方と会えてうれしい。公演に向けて意気込むギリヤークさんを全力で支えたい」と力を込めた。

  ◇

 俳優の近藤正臣さん(76)は若き日のギリヤークさんの大道芸に感銘を受け、街頭デビュー20周年の1988年ごろ、のぼりをプレゼント。今年5月に再会を果たし、新しいのぼりを寄贈しており、苫小牧公演でお披露目予定という。

 ギリヤーク尼ヶ崎 旧函館中学(現市立函館高校)時代の1946年、器械体操で国体北海道代表に選ばれるほどのスポーツマンだったが体を崩して中退。生家の菓子店で働きながら俳優を志し、21歳で上京した。53年から3年間は創作舞踏家邦正美に師事。68年に東京銀座で初めて街頭で青空舞踊公演を行った。75年以降はフランスや米国など海外公演も重ね、95年の阪神・淡路大震災以降、被災地で鎮魂の踊りを舞うようになった。

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