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古墓群、国指定史跡へ 文化審議会が答申 沖永良部島

琉球王国の影響を受けていた沖永良部島に見られる、(右上から時計回り)前庭を持つ大型石造り掘込墓、「世之主の墓」=和泊町、「新城花窪ニャートゥ墓」「屋者ガジマル墓」「アーーニマガヤトゥール墓」=知名町(各町教育委員会提供)

 国の文化審議会(島谷弘幸会長)は19日、鹿児島県沖永良部島の和泊、知名両町にある計4基の大型石造り掘込墓を「沖永良部島古墓群(おきのえらぶじまこぼぐん)」として国史跡に指定するよう文部科学大臣に答申した。官報告示を経て正式指定となる。同古墓群は琉球王国の影響を受け、削り出した岩壁や石積みの壁で囲まれた前庭を持つなどの特徴があり、「奄美と沖縄、九州南部等との文化交流を示す貴重な遺跡として重要」と評価された。

 古墓群は、和泊町の「世之主(よのぬし)の墓(はか)」、知名町の「新城花窪(しんじょうはなくぼ)ニャートゥ墓(ばか)」「屋者(やじゃ)ガジマル墓(ばか)」「アーニマガヤトゥール墓(ばか)」。同日開かれた国の文化審議会文化財分科会の審議、議決をもって答申された。答申通り指定されれば、県内の国史跡としては35件目、奄美では2025年3月指定の「与論城跡」に次いで10件目となる。

 和泊、知名両町の教育委員会によると、岩陰や洞穴を利用し、岸壁を横方向に掘り込んで造られた遺骨を納める場所は奄美群島で多く見られるが、沖永良部島では琉球王国の影響を受け、削り出した岩壁や石積みの壁で囲まれた前庭を持ち、墓本体の上部に屋根構造を持つ大型石造り墓が造られた。

 島内最大規模の古墓は「世之主の墓」と呼ばれ、二重の前庭を持ち、墓口まで琉球石灰岩による参道を設けている。鹿児島藩(薩摩藩)から派遣された代官が造営した伝承を持つ「新城花窪ニャートゥ墓」にも二重の前庭が築かれている。切妻形式の屋根や棟、軒を表現する「屋者ガジマル墓」、墓本体に唐破風(からはふ)に似たレリーフや窓形を彫り込み、沖縄の近世墓と類似の構造を持つ「アーニマガヤトゥール墓」も前庭を持ち、屋根構造を表現する共通点を持つ。

 国指定史跡の答申を受け、和泊町の前登志朗町長は「先祖を敬い大切にするこの島の人々にとって古墓は畏敬の対象であり、地域で大切に守り引き継がれてきた。大切な島の宝を後世に引き継ぎ島内外に広く知っていただくため、さらなる保存・活用に取り組んでいく」、知名町の今井力夫町長は「長年にわたり調査や保全に協力いただいた地元字(集落)、所有者の皆さま、関係機関の尽力に深く感謝する。引き続き関係機関と協力し、史跡の保存・活用に取り組んでいく」とコメントを出した。

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