文書と伝承、地層で 胆振の津波検証 ウポポイ 白老
白老町の国立アイヌ民族博物館は11月29日、ホリデーイベント「文書・伝承・地層に残された胆振の津波」を同館で開いた。研究員と講師が胆振一帯を襲った17世紀の津波について、古文書と伝承、地層に残る津波堆積物を手掛かりに実像を探り、現代の防災へ生かす視点を来館者約30人に示した。

言い伝えや地層といったデータを元に胆振地方の津波について語る西村さん
今年7月30日にカムチャツカ半島沖で起きた地震では、北海道太平洋沿岸に津波警報が発表され、同館でも来館者と職員が館近くの慰霊碑のある高台へ避難した経緯がある。
同館研究員のシン・ウォンジさんを案内役とし、講師は津波防災サポートプロジェクト(つなサップ)代表で、北海道大学地震火山研究観測センター元准教授の西村裕一さんが務めた。
西村さんは噴火湾沿岸に伝わる駒ケ岳噴火(1640年)の津波記録と照らし合わせながら、有珠周辺では津波が寺の裏山付近まで達したと読むことができることなどを紹介。樽前山の火山灰(約3000年前)以降、胆振地方で壊滅的な津波を示す痕跡は17世紀の一度しか見つかっていないとし、「数百年おきに繰り返す十勝・釧路沿岸とは性格が異なる」と述べた。
シンさんは、白老コタンの成立にまつわるアイヌの伝承にも巨大津波が語られていると説明。「北海道全体をのみ込むような津波で多くが命を落とし、樽前山に逃れた人々が水の引いたあと海岸の平地にコタンを築いた」とする言い伝えや津波を意味するアイヌ語「オハコペッ」「オレプンペ」、津波の前兆現象、供物を海に流してなだめる儀礼などを紹介した。
白老市街地周辺では、津波時の避難場所として伝えられてきたポロト湖近くのツメの山、おむすび山、塩竈神社跡ほか樽前川近くのキラウシ(逃げる場所)の4地点を取り上げた。いずれも標高のある高台で、現在の指定避難場所や津波ハザードマップと重なる点を示し、「口伝で受け継がれた経験知が、現代の避難行動の手がかりになり得る」と強調した。
関連記事
御神渡り出現願う熱意肌で 厳冬の諏訪湖畔で観察見学ツアー 長野県
長野県諏訪市小和田の八剱神社が同市豊田の諏訪湖畔で続ける御神渡り(御渡り)観察を、18日早朝に同市のRAKO華乃井ホテルの宿泊客8人が見学した。同ホテルなどを営業企画する諏訪湖リゾート(同市)...
ハピまん3年半ぶりリニューアル 北海道・十勝ブランド化
JA木野系のスーパー「ハピオ」(音更町)は、オリジナル中華まん「ハピまん」を約3年半ぶりにリニューアルした。累計販売数が120万個に迫り、一段と人気が高まる中、十勝発の北海道名物としてブランド化...
マンホールふたで宮古PR 市制20周年デザインコン市長賞作品 公設市場前歩..
「宮古島市下水道マンホールふたデザインコンテスト」(主催・市環境衛生局下水道課)で市長賞に選ばれた作品のマンホールふたが、このほど完成した。16日には市公設市場前の交差点の歩道に設置され、色鮮やか...
島の自然 児童ら観察 こども博物館 バンナ公園内を探索
2025年度こども博物館教室(市立八重山博物館主催)は17日、第6回講座「自然観察」を県営バンナ公園で行った。石垣市内の児童ら約40人が動植物や昆虫、地質など身近な自然について学んだ。 エコツアー...

