道内有数規模のメガファーム「友夢牧場」(町上佐幌基線108、植田昌仁社長)のハウス内で、頭上の棚からメロンが鈴なりに垂れる珍しい光景が広がっている。1株に数十個もなる上に、甘みも強いという画期的な水耕栽培。家畜ふん尿によるバイオガス発電の余剰熱を活用し、道内で初めて試験栽培に成功した。新たな地域ブランドとして期待が高まっている。

頭上から鈴なりに垂れるメロンと湯浅会長
メロンは栽培槽に立った支柱に向かってつるを上に伸ばし、計16株が1株当たり20~30個の実を付けている。赤と青玉2品種で5月1日に種をまいた。540平方メートルのハウスの中に余剰熱を使った温水パイプを走らせ、室温を15~30度に保っている。「はら農場」(町上佐幌西2線)の原大知代表が栽培に協力している。
30日収穫した青玉メロンは、高級メロンの目安という糖度15度を超える18.5度。8月20日ごろまでに収穫が終わる予定。同牧場の湯浅佳春会長は「年3回の栽培で通年出荷を目指す」と手応えを感じている。
つるを地面にはわせる通常のメロン栽培では、品質を確保するために間引きが必要で、1株から数個しか収穫できなかった。この栽培方法では、液体肥料を吹き上げるようにしながら栄養分を行き渡らせる。メロンは根が腐りやすく水耕栽培に不向きと言われる中、東京の中小メーカーなどが開発。余剰熱活用法として湯浅会長が導入した。総事業費は約3000万円。
今回収穫したメロンは、8月4日にJR新得駅前で開かれる「土曜市」で、町民向け無料試食会も行う。湯浅会長は「『友夢メロン』として商品化し、町のふるさと納税返礼品をはじめ、全国の大手百貨店などに出荷したい」と展望を描いている。
<友夢牧場>
ゆうむぼくじょう。2000年に新得町内の農家4戸が出資して法人化、01年に開業した。経産牛約900頭、育成牛約600頭を飼育。敷地内に2基の家畜ふん尿用バイオガスプラントが稼働中で、1日に1000頭分のふん尿(約100トン)を処理でき、毎時300キロワットを発電している。年内に3基目が完成する。
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