苫小牧市植苗のウトナイ湖野生鳥獣保護センターで１３日、同湖が水鳥でにぎわう季節に合わせたイベント「秋の渡り鳥ＤＡＹ」が開かれ、世界最大規模の野鳥観察データベース「ｅＢｉｒｄ」の活用について学ぶ体験会などが行われた。

奴賀さん（右）の説明を聞きながら、観察した鳥に関する情報の投稿にチャレンジする参加者

　体験会には市民ら９人が参加。日本野鳥の会自然保護室の奴賀俊光さんからｅＢｉｒｄのアプリに、観察した鳥の情報を投稿する方法を学んだ後、湖岸に移動し、自らのスマホで投稿に挑戦した。

　レンジャーらが見守る中、双眼鏡、望遠鏡を使って数㌔先で羽を休めるカイツブリやコハクチョウなどを観察。上空を旋回するヒシクイなどの群れも見つけ、観察結果を専用フォームに入力して次々と送信した。奴賀さんは「研究にも使われる情報。投稿量が増えればデータの精度が高くなる」と強調した。

　この日、マガンやヒシクイなど６種類の情報を初めて投稿した市内春日町の本橋惟子さん（３９）は「自分の観察記録になるだけでなく、研究に協力できるので、社会貢献と思って今後も投稿を続けたい」と述べた。

　この他、センター内に多数のマガンが描かれたボードを設けてカウンターでその数を数えたり、鳥の種類別に重さを当てたりするコーナーを開設。ウトナイ湖のごみをテーマにした講演会には親子連れら約４０人が参加し、野鳥を取り巻く環境問題への関心を深めた。