ウジルカンダの実を指差す中山圭一さん＝８日、鹿児島県奄美市名瀬

　鹿児島県奄美群島では珍しいウジルカンダの結実が、奄美市名瀬の山裾で確認された。名瀬の造園業中山圭一さん（７４）が発見。中山さんは「場所は犬の散歩コース。周辺は（ウジルカンダの）花も多く咲くが、実を見るのは初めて」と喜んだ。

山裾で結実するウジルカンダ

　ウジルカンダ（別名イルカンダ）は大型のマメ科のつる性植物。県のレッドリストで絶滅危惧Ⅱ類。おしべとめしべが花に包まれており、花を開くために昆虫や鳥ではなく、コウモリやサルのような動物が受粉に介在することが知られている。

　奄美市立奄美博物館の平城達哉学芸員（３４）によると、奄美群島でのウジルカンダの送粉者はよく分かっておらず、結実の数も多くないと言い、「（他にウジルカンダが分布する）沖縄諸島や大分県では研究が進んでいるので、今後の奄美群島での研究成果にも期待したい」と話した。