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半身まひも絵画の道へ 士幌の秋間さん壁画制作

重症心身障害児者通所施設「ぐらんつ」でイラストを描く秋間さん。今後1、2年かけて壁全面に絵を描くという

 右半身まひなどの障害を抱える士幌町在住の秋間耐(つよし)さん(43)が、画家・イラストレーターとしての活動を本格的に始めた。2011年に脳出血で倒れて以降、利き手とは反対の左手で描き、その作品は「ぬくもりがある」と静かに評判を集めていた。秋間さんは3月に「絵で食べていく」と障害者支援施設での仕事を辞め、今月からは帯広の重症心身障害児者通所事業所からの依頼で、施設内での壁画(イラスト)制作に挑んでいる。

 秋間さんは士幌出身。帯広柏葉高校在学中には、美術の担当教諭から「絵で食べていかないか」と勧められた。国士舘大学(東京)に進学し、就職後も介護や接客と職を変えながら油絵などの勉強を続けた。

 しかし、30代半ばで十勝に戻ると、36歳の時に脳出血で緊急入院。後遺症として右半身のまひ、嚥下(えんげ)障害、失語症などが残り、右手で絵筆を握ることはできなくなった。

 病に倒れて1年後、左手でボールペンを使ってイラストを描き始めた。脳卒中の患者会や、セラピストが集まる茶話会などで秋間さんが紹介した作品は、医療・福祉関係者の間で徐々に評価を高めていった。

 秋間さんが障害者支援施設(音更)での仕事を辞めることを決意したのは、今年3月。「高校時代に、先生から言ってもらった言葉が忘れられなかった」という。

 壁画の制作を依頼した重症心身障害児者通所事業所「ぐらんつ」の米澤大理事長は「自分には絵のことは分からないが、秋間さんの作品は見た人を優しい気持ちにしてくれる。利用者が癒やされたり、アートに触れる機会になればと、お願いした」と話す。

 今後は施設の壁全面に水性サインペンでイラストを描いてもらう考えで、「出来上がってきたら地域の人にも見てもらいたい」と米澤理事長。壁画はピエロをモチーフに1、2年かけて描かれる予定だ。

 病気のため人との会話がスムーズに行かなくなった後も、笑顔を絶やさない秋間さんは、医療・福祉の会合や患者会などの場でも人気者。人柄と作品に引かれた人らが、すでに壁画の制作以外にもデザインなどの依頼をしている。

 秋間さんは今後、「Akky+(アッキー)」の名前で精力的に活動する予定。「作品を見てくれた人を笑顔にしたい」と目標を語っている。

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