苫小牧市を拠点に活動する演劇集団「群 ’７３ 」（須藤夏菜子代表）は２０日夜、市文化会館で第６回自主公演「キネマの天地」を上演した。団員はテンポの良いせりふ回しと白熱した演技で、１５０人の観客を魅了した。

熱のこもった演技を披露する団員ら

　劇作家井上ひさしさん（１９３４～２０１０年）の脚本で、昭和初期の「築地東京劇場」が舞台。４人の大女優が殺人事件を巡り、いがみ合いながらも次第に人間関係を深めていく内容だ。

　今年度で閉館する市文化会館での自主公演は今回が最後で、団員らは気合十分。原作にないダンスも織り交ぜて熱演し、カーテンコールでは観客から大きな拍手が送られた。

　５年ほど前から公演に足を運んでいる、市内汐見町の公務員佐藤陽さん（３４）は「予想だにしなかった結末で面白かった。毎回新しい作品を見せてもらえるのでうれしい」と述べた。

　殺陣が得意な女優を演じた須藤代表は「登場人物の関係性の変化をうまく表現できた。平日夜の公演は初めてだったが、多くの観客に楽しんでもらえた」と笑顔。３カ月間の稽古の成果を発揮でき、満足そうだった。

　同劇団は２１日午後も同じ演目を披露し、２日間の自主公演を終えた。