豊川市赤塚山公園の「ぎょぎょランド」は、県の絶滅危惧種に指定されている淡水魚「ヤリタナゴ」の繁殖に初成功した。１階ロビーで体長２㌢程の稚魚の展示をしている。７月14日まで（火曜休館）。

展示している水槽＝ぎょぎょランドで

　日本各地の河川や用水に分布していたが、水質悪化や環境の変化により個体数が減っている。ぎょぎょランドでは、展示や種の保存のために繁殖に取り組んだ。

　今回は２月末から始まった。成魚から卵を採取し人工授精し、最初はシャーレで、その後、ビーカーで管理した。卵から徐々に育っていく様子を写真パネルで展示している。２００６年に挑戦したが、この時は失敗し、今回は初めて成功した。各地の水族館で繁殖活動をしており、方法は文献などで調べた。展示で淡水生物の多様性や保全の大切さを感じてもらう。

　担当した飼育員の岩田麻衣子さん（37）は「本来は決まった貝に卵を産んで育ててもらう変わった繁殖方法をしている魚です。貝の中で育つ環境に似せるため、暗くしたところうまくいきました。成魚も飼育しているので、見比べるのもいいのでは」と話す。

繁殖に成功したヤリタナゴの稚魚（提供）