AIが考えたパンと高校生が考えたパン、どちらがよく売れるのか。県立豊橋商業高校の情報処理部の4人が総菜パンの開発を通して、AIの実力を検証する取り組みを進めている。
メンバーは藤澤芽沙さん(16)、大平凪さん(16)、今泉柚乃さん(16)、尾﨑優大さん(17)の4人。昨年1月にNECとパン製造販売「木村屋総本店」が開発した「恋AI(れんあい)パン」に着想を得て、「AIを商品開発にどこまで活用できるかを確かめたくなった」という。

パンの商品開発に取り組んだ情報処理部の4人=豊橋商業高校で
豊橋市三ノ輪町の「ベーカリーショパン三ノ輪本店」の協力を得て、高校生たちが考えたピザ風味の「トマティーナピザパァン」(320円)と、AIで考えた「キャベチーズカレパァン」(340円)の2種類を開発し、販売にこぎつけた。
店長の高田美智代さんによると、生徒から直接「協力してもらえないか」とお願いされ、その後の4人のプレゼンテーションに「何としてでも形にしたいという情熱を感じた」と賛同した。
制作期間は約2カ月。高校生の案は、店の客層からどの世代にも喜ばれるピザ風味にし、店には「ピザパンをサンドした商品を」と依頼。AIのパンは「ChatGPT」で「万人受けするパンを作ってほしい」と入力し、自動出力されたレシピを渡した。当初はクロワッサンを使おうと考えたが、原価の関係で断念、コッペパンを採用した。
出来上がったパンは5日、一日限定で校内で販売。生徒や教諭らが長い列をつくり、計60個を約30分で売り切った。生徒らが考えたピザパンが数分早く完売し、藤澤さんは「私たちのパッションが勝ったのかな」とうれしそうだった。
同店では5~9日の5日間店頭に並べた。「AIVS人間」と書いたポップを置いたり、最初に売り切れた方にシールを貼ったりして、客が買いたくなる仕掛けをつくった。結果は人間が作ったパンが5連勝したが、高田店長は「AIのレシピをほとんど変えなかったほど正確で驚いた。時短につながるし、良い勉強になったので、今後も活用していきたい」と話した。

店頭に並ぶ高校生が考えたパン㊨とAIが導き出したパン=ショパン三ノ輪本店で
愛知県高校生徒商業研究発表大会で成果披露へ
生徒は今回の結果を踏まえ、8月に名古屋で開かれる「県高校生徒商業研究発表大会」出場に向けてエントリーする予定だ。藤澤さんは「結果をもとに分析を進めたい」と話している。
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