書店「文鳥堂」がオープン 中心商店街の路地裏に【山口】

書店をオープンした藤田店主(文鳥堂で)
山口市中心商店街の路地裏に書店「文鳥堂」がオープンした。駅通り2丁目にあった元呉服店を改装して生まれた空間に、こだわりの書籍3000冊が並ぶ。藤田良三店主(67)は「本を介して交流が生まれる、他にはない本屋にしたい」と意気込んでいる。
藤田店主は、現在も矢原で人事情報システムの代表を務める社会保険労務士。そのため、仕事を終えた夕方から店を開ける書店としては珍しい形で営業している。
もともとは、趣味で集めていた美術品の展示スペースを開こうと思っていた。昨年12月に福岡県北九州市の小倉井筒屋の書籍コーナーを訪れ、店主が選んだこだわりの本とその書評が並ぶさまを見てひらめいたという。
書棚には新刊が8割、きれいな状態の古本が2割の割合で並ぶ。仕事の関係で読んだ自己啓発やビジネス関連の本に加え、表紙やタイトルを見て気に入った小説、料理本などもある。出版社が許可し、定価より安価で販売できる未使用の新刊「自由価格本」を定価の半額で販売している。
「普通の本を並べても仕方がない」との考えで自費制作出版のZINEやリトルプレス、希少な写真集や美術書も並ぶ。「お気に入りの漫画家、つげ義春の漫画はそろえて並べたい」などと希望を語る。
書棚の隙間などに置かれたユニークな雑貨や美術品からは「人と違うことがしたい」という思いがにじむ。元呉服店だった構造を生かし、畳の部屋は本と美術品の展示スペースとした。カウンターではコーヒーとハーブティーを提供して本と共に楽しめる。
今後はさらに本を増やし、5000冊を置きたいと展望。畳の部屋では読書会を開いて利用者の交流を図り、知り合いの漫才師を呼んで公演もしたいと構想を膨らませている。
昨年、商店街にあった文榮堂が閉店した影響もあってか、4月末の開店当初から来客は上々。「書店業界を盛り上げたいという大きな考えはない」ときっぱりと語り「何より自分が楽しみたい。その中で面白いことをやってお客さんにも楽しんでほしい」と笑った。
営業時間は、平日午後6時(土日・祝日は3時)~10時。不定休。
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