羽黒山中腹・南谷“芭蕉ゆかりの地”きれいに 羽黒小伝統の清掃奉仕 史跡整える
松尾芭蕉が「奥の細道」で1週間滞在した鶴岡市の羽黒山中腹にある南谷で21日、地元・羽黒小学校(八渡宗一郎校長)の子どもたちが伝統の清掃奉仕を繰り広げた。熊手を使ってスギの枯れ葉を集め“芭蕉ゆかりの地”を整えた。
清掃奉仕は羽黒山の歴史や文化を学ぼうと毎年続けている。この日は6年生の児童32人と保護者合わせて約40人が参加。羽黒山頂で出羽三山神社の神職から南谷の歴史について話を聞いた後、石段を下って現地に向かった。
子どもたちは6つの班に分かれて作業を始め、日本遺産の構成要素で県の史跡に指定(1955年)されている南谷の環境整備に汗を流した。齋藤達磨(たつま)君(11)は「南谷に来たのは初めて。とても静かで心が落ち着く場所だと思った。これからも地元に残る史跡を大切にしたい」と話した。
かつて南谷にあった寺院は石段を整備した天宥別当が1665(寛文5)年に建てたもので、今でも建物の基礎となった石が残されている。芭蕉が訪れたのは1689年6月3日(新暦で7月19日)。「ありがたや雪をかほらす南谷」と詠んだ。南谷にあるカスミ桜は国の天然記念物に指定されている。昭和の後半から平成にかけて芭蕉来山300年を記念し、神社や地元手向地区の住民らが南谷へ通じる道を整備した。環境省の「かおり風景100選」にも選ばれている。

南谷でスギの枯れ葉を集める羽黒小児童
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