御柱候補決まる 諏訪大社下社仮見立て 3年後の大祭へ期待膨らむ 長野県

秋宮一の御柱に選定されたモミに木札がくくり付けられた後、木やりに合わせて「ヨイサ ヨイサ」の掛け声が山中に鳴り響いた
2028年(令和10)年の諏訪大社式年造営御柱大祭(御柱祭)に向けて、下社の御用材となるモミの仮見立てが12日、長野県下諏訪町の東俣国有林で行われた。諏訪大社の神職、下社御柱祭に奉仕する岡谷、下諏訪、上諏訪の大総代、氏子らが山に入り、下社春宮、秋宮の境内に曳(ひ)き建てる御柱の候補木8本を選定。立派なモミの巨木を前に、氏子らは3年後の大祭に期待を膨らませた。
神職や大総代らが午前6時30分ごろ同町の秋宮を出発し、現地に向かう途中に萩倉の斧立(よきたて)社を参拝。安全祈願をした後、観音沢林道に入り、氏子らと合流して出発式を行った。式が終わると、「仮見立て御無事でお願いだー」の木やりを合図に、村上益弘宮司を先頭に一行は入山した。
見立てはしきたりに従って春宮一の御柱から始まった。候補木の前に集まり、木の目通り周囲と高さが発表された後、村上宮司が「この候補木を春宮一の御柱(みはしら)とお見立てしてよろしいでしょうか」と諮ると、氏子から一斉に「よーし」の声が上がった。
その後は春宮二、春宮三、秋宮四、秋宮二、秋宮三、春宮四、秋宮一の順に山中を移動。選定された候補木にはそれぞれ木札がくくり付けられ、下諏訪町木遣(きやり)保存会の会員らが「奥山の大木 里に下りて 神となる」「山の神様お願いだー」と木やりを披露。氏子の「ヨイサ ヨイサ」の掛け声が山中に鳴り響いた。
下山後の閉会式で、村上宮司は「自然の猛威が非常に激しい時代になってきた。きょう仮見立てした柱が、本見立て、伐採まで元気に成長するよう皆さんの御祈願をいただきたい」とあいさつ。
岡谷、下諏訪、上諏訪の大総代でつくる下社三地区連絡会議の増澤哲会長(69)=同町東山田=は「それぞれ立派な木を選んでいただき、ここまで育ててくれた山の神様に感謝したい。それに報いるためにも、良いお祭りにしなければいけないと改めて思った」と話した。
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