黒糖作りの実演会では訪れた人たちが興味深そうに見学した

産地を代表して竹富町の山城秀史副町長が黒糖のおいしさをＰＲした＝10日午前、ファーマーズマーケットやえやま「ゆらてぃく市場」

　八重山地区糖業技術研究会（鈴木直人会長）は黒糖の消費拡大に向けた取り組みの一環として「黒糖の日」の5月10日、ＪＡファーマーズマーケットやえやま「ゆらてぃく市場」で、郡内4含蜜糖工場で生産された黒糖の試食会や黒糖づくりの実演、黒糖加工食品の展示販売などのイベントを行った。開会のセレモニーで産地を代表してあいさつした竹富町の山城秀史副町長は「この日を機会にあらためて黒糖の良さを認識し、活用してほしい」と来場者に語り掛けた。

　会場では、西表島、小浜島、波照間島、与那国島で生産された黒糖を試食できるコーナーが設けられ、多くの来場者が4島それぞれの黒糖を手に取り、食べ比べた。

　新潟県と神奈川県から姉妹で訪れた内藤佳代子さんと若井美代子さんは「西表と与那国はしっとりとした食感、波照間と小浜は軽やかな味わい。塩気があり、それぞれに個性があって、黒糖本来のおいしさを初めて知った」と笑顔で話した。

　イベントの目玉となった黒糖づくりの実演では、県農業研究センター石垣支所で収穫されたばかりのサトウキビを使用。担当者が大きな鍋でサトウキビのしぼり汁を丁寧にかき混ぜながら煮詰める様子を家族連れや観光客が興味深そうに見入っていた。できたての黒糖を味わった来場者からは「今まで食べていた黒糖とは全く違う風味で感動した」といった声が相次いだ。