
芳香に癒やされながらクロモジの枝を採集する役員
長野県諏訪市豊田有賀の有賀林野株式会社(小泉吉彦社長)は10日、茶の原料にするクロモジ(クスノキ科)の枝葉の採集作業を地元の同社所有林で行った。日本固有種で、香りのよいクロモジを特産品にしようと2020年から「有賀の黒もじ茶」として販売し、年々ファンが増えて毎年完売の人気ぶり。開花間近の香りが一段と増すこの時期を選んで作業に励んだ。
クロモジは落葉低木で、高級つまようじの材料で名が知れるが、抗菌や抗酸化、鎮静などの効果が期待される成分も含むとして古くから民間療法に用いられているという。
有賀の山には群生地があり、長年里山整備で刈り払うばかりだったが、山を守り続けるための収入源にできないかと商品化の方法を模索。静岡県内の茶葉加工所に加工を委託して、販売にこぎ着けた。地元店舗のほか、23年からは都内銀座の県のアンテナショップでも売り出して「他の市販品の中でも一段と色、香りが良く、評価が高い」(小泉社長)という。
今年の作業には役員12人が参加し、雨上がり後のきれいな枝葉を1本ずつ丁寧に切り取った。一帯には芳香が立ち込め、役員たちは「いい香りだなぁ」と改めてその魅力に感じ入りつつ、枝を集めていた。
採集は約83キロ。今後、加工所で乾燥、粉砕して1杯分ずつに小分けのティーパックにする作業を経て、7月20日頃に10包入り800円で販売を始める予定だ。小泉社長は「海外出荷の声もかかるほど評価が高まってきた。インターネットの活用など販路拡大にも取り組んでみたい」と話している。
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