米の品薄と価格高騰続く、備蓄米1回目入札から2カ月、入荷半日で品切れの店も【宇部】

政府備蓄米の1回目の入札から間もなく2カ月。農林水産省によると、先月13日の時点で小売業者や外食産業などに届いた備蓄米は、3月中に落札された備蓄米全体の1・4%しかない3018㌧。消費の現場では相変わらず品薄による米の高騰が続いている。
JA山口県宇部統括本部指導販売課の岡野由利仁課長は「備蓄米は毎週300㌔ずつ仕入れ、運営する農産物直売所の新鮮館2店舗で5㌔3540円(税込み)で販売している。両店舗ともに入荷日の午前中には売り切れる」と言う。
消費者の手に入りにくいのは、備蓄米だけではない。新鮮館宇部店(海南町)の米売り場では、コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、きぬむすめなど宇部産ブランド米「宇米」の陳列棚に「入荷待ち」の札が軒並み貼られている。
入荷は毎日あるが、銘柄や量は入ってみなければ分からず、入荷した米は数日に分けて売っている。備蓄米と同様、午前中には売り切れるのが現状だ。
極端な品薄を受けて、同本部は1日から販売価格を引き上げた。同店では1家族当たりの販売量を5㌔までと決めているが、値上げ後は2~3㌔ずつ購入する客が増えているという。
そんな中、外国産米の販売を始めた小売店もある。市内のスーパーでは先月下旬に、米国カリフォルニア産米5㌔を4083円(同)で販売。関税がかかっていても国産米に比べて400~1000円ほど安いため、数日後には売り切れた。担当者は「外国産米は市場に売り出された時に買い付けるスポット買いのため、仕入れは不定期。価格も安定しない」と頭を抱えている。
岡野課長は「備蓄米放出も、在庫状況を改善するまでの効果は出ていない。品薄状態は、宇部産や県内産の新米が出回る9月ごろまで続くだろう」との見通しを示した。
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