理大生が国連シンポジウムで大役 日本の薬乱防止活動を発信【山陽小野田】

シンポジウムでの体験について話す田苗さんと梶本さん(左から、市役所で)
山口東京理科大薬学部6年の田苗悠華里さんと梶本莉世さんが今春、オーストリアのウィーンで開かれた第68回国連麻薬委員会(CND)のシンポジウムに参加し、日本の薬学生の立場で薬物乱用防止活動の重要性について英語でスピーチした。120カ国以上の国連機関やNGO団体の関係者を前に、日本の立場を訴える大役を果たした。
日本の麻薬・覚せい剤乱用防止センターが主導する国際薬物情報交換プラットフォームの設立に向けた活動の一環。
2人は、薬学部の百渓江教授の理系グローバル人材育成プログラムに参加し、英会話教室や米国人学生との交流を通して英語力を向上。昨年10月に山陽小野田市の姉妹都市、豪州モートンベイ市のピーター・フラナリー市長一行が来日した際には通訳も経験した。
薬学生の立場で日本の薬物乱用防止活動に対する積極的な姿勢を英語で発信してほしいという同センターの募集に対し「薬学を専攻する地域の学生としての視点を発信したい」「活動で広がった視野と薬学の知識で自分の壁を超えてみたい」と応募を決意し、面接とエッセーの選考を経て選ばれた。
シンポジウムでは、世界的に若年層の薬物乱用率が低い日本では、小・中学校での薬物乱用防止教室で早い段階から危険性を学んでいることを説明。一方、実習先で睡眠薬の過剰摂取で搬送された患者を目の当たりにしたことに触れ、子ども食堂での実体験を基に、教育や家庭、人間関係など子どもを取り巻く環境の底上げに取り組むべきであるとも訴えた。
シンポジウムの期間中には、ガーダ・ワーリー国連薬物・犯罪事務所事務局長ら国連幹部職員との懇談、国連薬物研究所の見学などを経て、国連職員から「国連薬物・犯罪事務所で日本の薬学の知識を生かしてほしい」とラブコールを受けたという。
21日に市役所に藤田剛二市長を表敬し、活動を報告するとともに「将来はグローバルに活動する人物になりたい」と展望を語った。藤田市長は「大学と市の名前が世界に届く機会になった」と活躍をたたえた。
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