養蚕復興へ住民の力 さなぎがワクチン原料に 駒ケ根シルクミュージアムで飼育説明会 長野県

説明会で飼育方法などを参加者に手ほどきする伴野豊館長=駒ケ根シルクミュージアム
医薬品の原料となる蚕のさなぎを育てる長野県駒ケ根市の駒ケ根シルクミュージアムは今年度、希望する住民に自宅で養蚕してもらい、かつて盛んだった養蚕業の復興に向けた取り組みを加速させる。出荷する4万頭のうち2万頭について住民の協力を得る考え。6日には説明会を同館で開き、市内外から参加した31人に伴野豊館長(67)=岡谷市=が飼育方法などを伝えた。
同館では昨年度、1万8000頭を養蚕。病害もなく順調で、さなぎを原料に経口ワクチンの開発に取り組む福岡市の企業に出荷した。
今年度は4万頭に目標を設定。同館だけでは飼育スペースや人手が不足するため、住民の協力を得て進めることにした。
飼育協力を得るのは、繭を作る直前「5齢」の状態から約1週間。各自が同館近くの畑から餌となる桑の葉を刈り取り、毎日適量を給餌。繭が完成したら余分な毛羽を取り、同館へ納めてもらう。1個につき5円が協力者には支払われる。
今回は6月に飼育する1万頭分が対象で、9月にも同様に実施。希望者には飼育道具類を貸し出し、桑の葉も無償で提供する。
説明会で熱心に耳を傾けていた同市赤穂南小学校5年の児童は「お母さんから蚕の話を聞いて関心を持った。大切に飼って、どう育つか見てみたい」と話し、母親の雅代さんは「自分も子どもの頃、蚕のことを一日中見ていた。ワクチンにもなると聞き、ぜひ飼ってみたいと思った。蚕が桑を食べる音を子どもたちと一緒に聞きたい」と目を細めた。
伴野館長は「かつて地域の大切な文化であった養蚕について、住民の皆さんと一緒に見直す機会にし、さまざまな切り口で活用の幅を広げていけたら」と期待した。
協力者は、飼育する環境や経験、能力などを基に選考。13日も午前10時から同館で説明会を行う。問い合わせは同館(電話0265・82・8381)へ。

