到着する宇部線の列車（２６日午前７時１１分ごろ、ＪＲ新山口駅で）

　ＪＲ宇部線が２６日、１９２５（大正１４）年３月２６日に本阿知須（現阿知須）－小郡（現新山口）駅間の開業で全線開通してから１００周年を迎えた。長年にわたって、市民の通勤・通学など欠かすことのできない足として親しまれ、古里の産業の発展も支えてきた。

　実業家の渡辺祐策らが宇部軽便鉄道として創立し、１９１４年に宇部－宇部新川駅間で開業。東へと延伸を続け、２５年に山陽線の小郡駅まで到達した。宇部興産（現ＵＢＥ）やセントラル硝子宇部工場に美祢市からの石灰石を供給するなど、沿線の地域にとって重要な役割を果たしてきた。

　昨年度の平均通過人員（利用者の一日１㌔当たりの人数）は２１０８人となっている。

　大きな節目の日に乗車した伊藤昭二さん（５７）＝山口市佐山＝は「通勤のために３０年以上使っており、なくてはならない存在。宇部市内の高校にも宇部線で通っていたので、青春時代の思い出が詰まっていて、とても思い入れがある。これからも長く続いてほしい」と語った。